パソコンはいずれ壊れます。
パソコンを処分する場合、国内の信頼できるルートで再資源化などの処理がされるようにしなければなりません。
ここではパソコンの適正な廃棄・処分方法についてみてみます。
はじめに 機器類の廃棄まで責任を持ってこそ、仕事をした意味がある
機器類の廃棄は写真等を扱う業務や創作活動の一部であり、非常に重要です。
引き取りを依頼する先を間違えると、国際法に違反して海外へ輸出され、適切に再資源化もされないまま現地で甚大な環境汚染や健康被害を引き起こすということになる恐れがあります。
そのような事態はすでに進行し、事態はかなり深刻で、もう待ったなしの状況です。
そのような事態に私たちも加担し、一方の人々を酷い目に合わせながら写真やグラフィックを美しく仕上げたとしても、何の意味もなくなってしまいます。
機器は壊れるまで大切に使う
地球環境問題は深刻化の一途
現在、地球環境問題が深刻化し、人間以外の生き物がとてつもないスピードで絶滅しており、人間も近いうちに滅亡する恐れが出ています。
地球温暖化の関連では、地球全体の炭素排出量は京都議定書で排出量削減に関して国際的に合意した1997年以来、60%も増加しているということです。
参考リンク
私たちが使うものは、製造した土地で炭素を排出している
中国をはじめとしたアジア諸国など、製造業の盛んな地域では大量の炭素が排出されています。
そういった地域で製造された製品は日本をはじめとした世界中の国々で使用されます。
実際に、私が仕事で使っているEPSONのプリンターはインドネシア製、ワコムのペンタブレットは中国製です。
私たちの消費したものの製造過程で出る炭素は、私たちが住む町ではなく製造国で排出されています。
参考リンク
また、当然ながら、機器を廃棄したときにも輸送や廃棄処理で環境負荷がかかります。
このような事情があるので、私たちは自分が使用している機器が製造・廃棄されるときにどれだけ環境負荷があるのかを意識する必要があるでしょう。
必要なものを買い、長く大切に使う
速いペースで新品に買い換えると、環境負荷が高すぎて自然の循環のスピードが追いつかず、近いうちに絶滅してしまいます。
そこで、できるだけ新品に買い替えずにできるだけ長く使い、買い換える時もまずは良い中古品がないかどうか探すと良いでしょう。
2年で新品の機械を1台作るのと、8年に1台作るのでは、8年に1台作る方がおそらく環境負荷が低くすみます。
参考書籍
この本に、なぜパソコン等の機器を大切に使わずに速いスピードでパソコンを作って消費して廃棄することを繰り返すと人類が滅亡してしまうのか、秩序立てた分かりやすい説明が載っています。
この本で、自然の循環のスピードを超えて廃棄物を出したりすると初めのうちは貧困国に被害を押し付けることで先進国はしばらく存続できるものの、最終的には世界中で貧困層も富裕層も含めて全員が滅んでしまうことが説明されています。
パソコンの廃棄は、資源有効利用促進法に基づいて進める
パソコンは、資源有効利用促進法の回収対象機器になっています。
よって、パソコンを廃棄する場合は資源有効利用促進法に基づいて手続きをします。
資源有効利用促進法に基づいたパソコンの回収については、製造メーカーなどで作られている一般社団法人パソコン3R推進協会のウェブサイトでわかりやすく案内されています。
参考リンク
家庭用と事業用では手続き方法が異なるので注意
資源有効利用促進法では家庭用のパソコン、事業用のパソコンとも対象になっています。
ただし、回収の申し込みなどの仕組みが家庭用と事業用では異なります。
パソコン3R推進協会のウェブサイトや、パソコンメーカーのウェブサイトで家庭用、事業用それぞれについて説明があるので、説明に従って手続きを進めましょう。
以下では家庭用に使用したパソコンの回収手続きの例を掲載します。
事業系PCの回収手続きの例
事業系PCはメーカーに回収依頼するということです。
PCメーカーのサイトで、たいてい事業用と家庭用で別々に回収の案内が載っています。
家庭用のパソコンの回収手続きの手順の例
手順1 パソコンを購入したら「PCリサイクリマーク」を確認
パソコンを購入した場合、「PCリサイクルマーク」が貼られていることを確認しましょう。
パソコンを買うと初めから「PCリサイクルマーク」が貼られてあり、このマークがあることで無料で回収してもらえるとのことです。
一方、ディスプレイでは場合によっては貼られていないこともあり、自分で「PCリサイクルマーク」を送ってくれるよう申し込む必要がある場合もあります。
そこで、パソコンを購入したら「PCリサイクルマーク」が貼ってあるか確認して、万一貼られていなければ製造メーカーへ聞きます。。
手順2 製造メーカーか、パソコン3R推進協会に回収を申し込む
【重要!】製造メーカーが分からないパソコンの場合
パソコンは法律でリサイクルが義務付けられているので、自分のパソコンが、製造メーカーが分からないようなパソコンの場合でも、燃えないゴミに捨てたりしないようにしましょう。
例えば、自分で組み立てたパソコン、メーカーが倒産してしまったパソコン、などです。
処分方法はあります。
パソコン3R推進協会に回収を申し込む
回収するメーカー等がないパソコンは「パソコン3R推進協会」に回収を依頼します。
パソコン3R推進協会のページ
「小型家電リサイクル法」に則って市町村で回収してくれる場合もある
パソコンは、資源有効利用促進法のパソコンリサイクルの他に、小型家電リサイクル法に基づく小型家電の回収で引き取ってくれる場合もあります。
住んでいる市町村のウェブサイトで、「小型家電リサイクル法」などでサイト内検索して調べましょう。
以下は札幌市の場合で、パソコンを無料で回収に出せます。
札幌市の小型家電の回収のページ
ウェブで「リネットジャパン」に回収を依頼する
「リネットジャパン」が法律に基づいてパソコンの回収を行っています。
ウェブから「リネットジャパン」にパソコンの回収を申し込むことができます。
製造メーカーが分かるパソコンの場合
資源有効利用促進法に基づいたパソコンの回収申し込みはメーカーへ行うことになっていますので、メーカーへ申し込みます。
パソコン3R推進協会ウェブサイトの以下のページに、各メーカーの回収窓口へのリンクが掲載されています。
パソコン3R推進協会のページ
例えばEIZO®の申し込み窓口は以下のページです。
EIZOのページ
手順3 「エコゆうパック伝票」が送られてくるので、荷造りして郵便局から送る
製造メーカーの窓口に回収の申し込みをすると、「エコゆうパック伝票」が送られてきます。
自分で荷造りして伝票を貼り、郵便局に持ち込む、あるいは郵便局に集荷を依頼します。
荷造りの方法は一般社団法人パソコン3R推進協会のウェブサイトでわかりやすく案内されています。
パソコン3R推進協会のページ
手順4 国内の正規のルートで再資源化される
国内の正規のルートで再資源化されます。
これで国際法に違反してガーナなどに不法に廃棄家電が持ち込まれ、現地で甚大な水銀汚染や鉛汚染などを引き起こすという恐るべき事態に知らないうちに加担してしまうようなことはとりあえず防げます。
【重要!】PCリサイクルマークがないパソコンも回収に出せる
以下のようなPCリサイクルマークのないパソコンも回収に出せます。
- 自作パソコン
- 古いパソコン
- 製造メーカーがよく分からないパソコン
- 製造メーカーがすでに倒産したパソコン
など。
方法1 リネットジャパンに回収申し込みしてみる
「リネットジャパン」のサイトでは、PCリサイクルマークのないパソコンも無料回収の対象です、と説明されていました。
そこで、リネットジャパンに回収申し込みしてみると良いでしょう。
方法2 「パソコン3R推進協会」に回収を申し込む
PCリサイクルマークが貼られていないパソコンは、「パソコン3R推進協会」が有料で回収を行っています。
そこで、「パソコン3R推進協会」に回収を申し込むのも良いでしょう。
パソコン3R推進協会のページ
方法3 小型家電リサイクル法による回収に出せる場合もある
小型家電リサイクル法に基づく回収でパソコンも回収してもらえる場合もあります。
自分が住んでいる自治体のウェブサイトで、小型家電リサイクル法に基づく回収の説明ページへ行き、パソコンの回収について調べると良いでしょう。
例として、札幌市の場合は、家庭のパソコンを小型家電の回収に出せるようになっています。
札幌市のページ
以上、パソコンの適正な廃棄、処分方法について確認してみました。
参考記事