写真をスマホ・PC等に保存したままではなく、印画紙にプリントする人は多いでしょう。
プリントするとしたら、メジャーな富士フイルムの「スマホ・デジカメプリント」を利用しようと思う場合が多いでしょう。
ただ、現在は一般向けのカメラや現像ソフト、写真編集ソフトでもカラープロファイルが選択できるようになっているため、「スマホ・デジカメプリント」に依頼する写真のデータのプロファイルはどのようにするべきか迷う人も多いでしょう。
富士フイルムの「スマホ・デジカメプリント」に依頼するとき、画像データのプロファイルをどのようにするとよいかみてみます。
富士フイルム「スマホ・デジカメプリント」の内容
スマホ、デジカメで撮影した写真を銀塩写真としてプリントするサービスの中でもメジャーなものにFUJIFILM「スマホ・デジカメプリント」があります。
富士フィルム「スマホ・デジカメプリント」
銀塩写真プリントのサービス
「スマホ・デジカメプリント」は写真専用の印画紙に絵柄をプリントする銀塩写真のプリントのサービスです。
サイズはLサイズや四切ワイドサイズなど14種類
「スマホ・デジカメプリント」では以下のサイズのプリントができます。
- Lサイズ 89×127mm
- DSC 89×119mm
- スクエアサイズ 89×89mm
- KG (はがき)サイズ 102×152mm
- HV (ハイビジョン)サイズ 89×158mm
- パノラマサイズ 89×254mm
- 2Lサイズ 127×178mm
- DSCWサイズ 127×169mm
- 六切サイズ 203×254mm
- 六切ワイドサイズ 203×305mm
- A5サイズ 148×210mm
- A4サイズ 210×297mm
- 四切サイズ 254×305mm
- 四切ワイドサイズ 254×366mm
自動色補正を行える
注文画面で、自動色補正の有無を選択できます。
自動色補正を選択すると、富士フイルムの業務用のソフトで自動色補正が行われた上でプリントされます。
「色補正なし」でも注文できます。
「美肌モード」の処理あり
「自動色補正」の有無を選択するとき、通常の自動色補正ではなく「美肌モード」を選択できます。
美肌になることに重点をおいた色補正が行われるものと思われます。
枠、スタンプなど各種の装飾が可能
飾り枠やスタンプで写真を装飾することができます。
細かい設定項目が不要なら「かんたんプリント」を選択できる
「スマホ・デジカメプリント」には「かんたんプリント」「こだわりプリント」の二つのメニューがあります。
「こだわりプリント」を選ぶと、用意されているすべての設定が利用できます。
一方「かんたんプリント」を選ぶと、装飾の設定など細かい設定項目の多くが省略され、ごく簡単な設定だけでプリントを注文できます。
富士フイルム「スマホ・デジカメプリント」のサービス案内でプロファイルの扱いを確認してみる
「スマホ・デジカメプリント」のウェブページで、依頼する写真の画像データのプロファイルについて説明されているかみてみました。
データのサイズなど、いくつか説明がありましたが、カラープロファイルについての細かい説明は見つけられませんでした。
画像データの色空間などについて説明を載せると、注文する人がかえって混乱してしまうからかもしれません。
ネット注文で画像をアップロードしてみた結果
「スマホ・デジカメプリント」のネット注文の画面から、画像をアップロードしてみました。
「スマホ・デジカメプリント」をネットから注文する際の画像のアップロード画面にも、カラープロファイルに関する注意書きなどは見当たりませんでした。
sRGBの画像データをアップしてみる
以下のsRGBの画像データをアップロードしてみます。
sRGBで完成させ、sRGBカラープロファイルを埋め込んで保存した画像データです。
おそらくsRGBの画像データがsRGB画像として扱われているものと思われます。
ほぼ同じ色で問題なくアップロードできました。
sRGBの画像データ(プロファイル埋め込みなし)をアップしてみる
以下のsRGBの画像データをアップロードしてみます。
sRGBで完成させ、カラープロファイルを埋め込まずにに保存した画像データです。
おそらくsRGBで作成され埋め込みプロファイルのない画像データがsRGB画像として扱われているものと思われます。
ほぼ正常な色で問題なくアップロードできました。
AdobeRGBの画像データをアップしてみる
以下のAdobeRGBの画像データをアップロードしてみます。
AdobeRGBで完成させ、カラープロファイルを埋め込んで保存した画像データです。
AdobeRGBの画像データにsRGBを指定した以下の写真と似たような色になってしまいました。
おそらく、AdobeRGBの画像データの埋め込みプロファイルは無視され、sRGB画像として扱われた結果だと思われます。
「スマホ・デジカメプリント」に依頼するときの写真のデータのプロファイル
sRGBにしておけば問題ない
店のサービスに依頼するデータはsRGBで作ればまず問題ないでしょう。
デジカメで撮影するなら、カメラの色空間をsRGBに設定しておけば、撮影した写真のデータはsRGBのデータになります。
現像ソフトで現像するなら、画像データの書き出し時の色空間をsRGBに設定すると、sRGBのデータになります。
AdobeRGBのデータがあるなら、sRGBにプロファイル変換して保存すると、sRGBのデータになります。
参考記事
「色補正あり」を選択する場合でもsRGBのデータにしておいた方が無難
「スマホ・デジカメプリント」では「色補正あり」でプリントを依頼できます。
「色補正あり」で依頼する場合、sRGB以外の色空間で作成された画像をアップして色が変わったとしても、そこから色補正が施されてきれいに調整されるので、sRGBのデータでもそれ以外の色空間で作成したデータでも問題ないのではないか、と思うかもしれません。
確かに、例えばAdobeRGBのデータをアップして色が変わっても、自動色補正がかかることで少し見栄え良く調整されるでしょう。
しかし、やはり色がおかしくなった状態から自動色補正がかかるのと、正常な状態から自動色補正がかかるのでは、たいてい正常な状態から自動色補正をかけた方がより品質は高くなるでしょう。
ですので、プリントを依頼するときはsRGBのデータで依頼するに越したことはないでしょう。
スマホから注文する場合は何も気にしなくても問題ないと思われる
デジタルカメラは色空間を自分で選べる機種もあります。
また、パソコンで写真を扱う場合はソフトの設定次第で色々な異なるカラープロファイルが埋め込まれたデータを作れます。
一方、スマホで写真を扱う場合、ユーザーが自ら画像データのプロファイルを操作できるケースは少ないでしょう。
よって、スマホから「スマホ・デジカメプリント」へプリントを注文する場合は、プロファイルのことは気にせず注文することになるでしょう。
AdobeRGBの写真をsRGBに変換せずに広色域でプリントする方法
以上のように、sRGBプロファイルのデータで依頼すると、一般的な写真プリントサービスで正常な色でプリントされます。
ただし、AdobeRGBで写真を仕上げても、sRGBにプロファイル変換することでAdobeRGB色空間より狭いsRGB色空間の写真になり、プリント結果もAdobeRGB色空間より狭い色域の写真になります。
AdobeRGB色空間で写真を撮影したり現像したなら、AdobeRGBでプリントしたい場合も多いでしょう。
現在はインクジェットプリンターの性能が上がり銀塩プリントと同等の画質の出力が可能になっているので、広色域のプリンター出力サービスへ依頼することでAdobeRGBの色域をできるだけ維持したプリントが可能です。
写真・グラフィック出力サービス
以上、富士フイルムの「スマホ・デジカメプリント」を注文するとき、画像データのプロファイルをどのようにするとよいかみてみました。
富士フイルム「スマホ・デジカメプリント」