よく、CMYK変換に使うデータはAdobeRGBの方が良い、といいます。
また一部には、CMYKは色域が狭いので元データはsRGBで十分、という誤解も見受けられます。
ここでは、sRGBで完成させた画像をCMYK変換する場合とAdobeRGBで完成させた画像をCMYK変換する場合で、変換結果の品質の差をみてみます。
sRGBとAdobeRGBの色域の差
sRGBとAdobeRGBを直接比較してみる
sRGBとAdobeRGBの色域を立体的に表現した図を重ね合わせると、下図のような雰囲気になります。
色が付いている立体がsRGB、白い立体がAdobeRGBです。
sRGBを表した立体がAdobeRGBを表した立体の中にある程度収まっており、sRGBよりAdobeRGBの方が色域が広いことが分かります。
sRGB、AdobeRGBそれぞれの色域とJapanColorの色域の比較
sRGBの色域とJapanColorの色域、AdobeRGBの色域とJapanColorの色域をそれぞれ比較してみます。
sRGBとJapan Color 2011 Coatedを比較すると、sRGBの色域には含まれず、CMYKのカラースペースJapan Color 2011 Coatedの色域には含まれる色が結構な割合で存在します。
一方AdobeRGBの色域は、Japan Color 2011 Coatedの色域をsRGBよりも多くカバーしています。
実際に、sRGBの画像、AdobeRGBの画像からCMYK画像を作ってみる
実際に、sRGB、AdobeRGBそれぞれの原色で作ったグラデーションの画像をCMYKのカラースペースであるJapan Color 2011 Coatedにプロファイル変換してみましょう。
プロファイル変換した結果を見ると、AdobeRGBで画像を作ってJapan Color 2011 Coatedに変換した方が、Japan Color 2011 Coatedのカラースペースを多く使えていることが分かります。
このように、同じ写真でも、sRGBで完成させてCMYK変換した場合と、AdobeRGBで完成させてCMYK変換した場合では、CMYK変換後の色にとても大きな差が出ます。
AdobeRGBで完成させてCMYKに変換した場合の方が、CMYKのカラースペースをより生かすことができます。
以上、sRGBで完成させた画像をCMYK変換する場合とAdobeRGBで完成させた画像をCMYK変換する場合の結果の差をみてみました。
参考記事