スキャナーでフィルムやプリント写真をスキャンするとき、スキャン解像度はいくらにすればよいかの判断はややこしいものです。
ここでは、スキャナーでフィルムやプリント写真をスキャンするときのスキャン解像度について、主な仕上がりサイズと原稿サイズについて一覧を掲載します。
スキャン解像度は、「原稿の寸法」と完成する画像データの「寸法」「解像度」で決まる
スキャン解像度は、最終的に完成させる画像データの寸法と解像度、スキャンする原稿の寸法の関係で変わります。
よって、原稿の寸法を確認し、完成した画像データを使って行う最終出力時の寸法、解像度、を決めたのち、スキャン解像度を求めます。
スキャン解像度の決定前に確認する事項
- 最終出力時の寸法
(例:チラシに幅110mmで載せたい写真なら、最終出力時の寸法は110mm) - 最終出力に必要なデータの解像度
(例:オフセット印刷なら350dpi、インクジェットプリンターなら300dpiくらい、など) - スキャニングする原稿の寸法
(例:横127mmのプリント写真をスキャニングするなら、スキャニングする原稿の寸法は横127mm)
最終出力に必要な画像データの解像度はどのくらいか
最終出力時に必要な画像データの解像度の一例を以下のあげてみます。
インクジェットプリンター用の写真 300dpiくらい
インクジェットプリンターで印刷する写真等の場合、300dpiあれば足ります。
写真によっては300dpiより少し低くても品質に違いがないくらいです。
店でプリントする写真 300dpiくらい
スキャンした写真を店でプリントしたい場合、300dpiくらいで足ります。
オフセット印刷を行う写真 350dpiくらい
コート紙にオフセット印刷を行う写真の場合、350dpiくらいで足ります。
上質紙や新聞紙に印刷する場合は350dpiより低くても間に合いますが、ややこしいのでオフセット印刷をする写真は350dpiと思っておけば問題ないでしょう。
インクジェットプリンター用の線画 600〜1200dpiくらい
イラストや文字などの線画をインクジェットプリンターで印刷する場合、モノクロ2階調の画像データは600〜1200dpiくらいで足ります。
600dpiでも足りる場合が多いでしょう。
600dpiでテスト印刷して、精細さに不満があるならもう少し上げてみるなど、試験してみるのもよいでしょう。
オフセット印刷を行う線画 1200dpiくらい
オフセット印刷でイラストや文字などの線画を印刷する場合、モノクロ2階調の画像データは1200dpiくらいで足ります。
具体的なスキャン解像度の一例
よくある原稿サイズについて、ちょうどよいスキャン解像度の例を以下にあげてみます。
なお、解像度は少しくらい大きかったり小さかったりしても支障はありません。
以下の表の数値はおよその数値です。その数値の前後の解像度でスキャンすれば問題ありません。
300dpiの画像データにする場合のスキャン解像度
出力・プリントしたいサイズ | 「35mmフィルム」をスキャンする場合 | 「L判プリント」をスキャンする場合 |
---|---|---|
L判 | 1060dpi | 300dpi |
2L判 | 1480dpi | 450dpi |
六切 | 2120dpi | 700dpi |
A4判 | 2480dpi | 700dpi |
四切 | 2540dpi | 850dpi |
A3判 | 3500dpi | 1000dpi |
半切 | 3600dpi | 1200dpi |
350dpiの画像データにする場合のスキャン解像度
出力・プリントしたいサイズ | 「35mmフィルム」をスキャンする場合 | 「L判プリント」をスキャンする場合 |
---|---|---|
L判 | 1230dpi | 350dpi |
2L判 | 1730dpi | 500dpi |
六切 | 2470dpi | 800dpi |
A4判 | 2890dpi | 850dpi |
四切 | 2970dpi | 1000dpi |
A3判 | 4080dpi | 1200dpi |
半切 | 4200dpi | 1400dpi |
線画をスキャニグしてモノクロ2階調の画像データを作る場合のスキャン解像度
出力・印刷したいサイズ | 600dpiのデータを作りたい場合 | 1200dpiのデータを作りたい場合 |
原稿と同じサイズ | 600dpi | 1200dpi |
原稿の半分のサイズ | 300dpi | 600dpi |
原稿の2倍のサイズ | 1200dpi | 2400dpi |
原稿の3倍のサイズ | 1800dpi | 3600dpi |
以上、スキャナーでフィルムやプリント写真をスキャンするときのスキャン解像度について、主な仕上がりサイズと原稿サイズについてご紹介しました。
参考記事