プリンター用紙は消耗品です。特に仕事でプリンターを使用していると、毎日結構な枚数の用紙を消費すると思います。
毎日消費するプリンター用紙ですから、この用紙を環境負荷の低い物を使うか高い物を使うかによって、地球環境の今後がどうなるかに大きく影響するでしょう。
自分が用紙を購入する時のために環境対応についての各種認証マークについて確認してみました。
はじめに 第三者機関の認証マークがあることが重要
第三者機関の認証を受けた製品は、第三者機関が客観的にみて環境負荷が低いと判断した結果、認証マークをつけたりできるようになります。
そのため購入する側としては、第三者が客観的にみて環境負荷が低いとみなせるような製品なのだろう、と判断できます。
一方、第三者機関からの認証は受けておらず、認証マークに雰囲気が似ている自社独自の「植林木100%使用」などのマークを表示している製品もあります。
そういったマークは自社で自由に付けているだけであるため、購入する側としては実際に環境負荷が高いか低いか判断できません。
実際、大規模な森林破壊を行っているとして国際的に批判されていた会社の製品に、「植林木使用」といった環境負荷が低そうな印象を与える表示がなされていた例は存在しています。
よって、雰囲気に惑わされず、第三者機関の認証を受けた認証マークを付けている製品を選ぶことをおすすめします。
用紙の環境対応についてのマークにはどのようなものがあるか
用紙の環境対応に関する認証マークや、認証ではないものの環境負荷の目やすになるマークの例として、以下のようなものがあります。
- FSC認証
- エコマーク
- グリーン購入法
- 再生紙使用(R)マーク
など
FSC認証
FSC認証は、FSC(Forest Stewardship Council®、森林管理協議会)が運営している国際的な森林認証制度です。
認証機関 FSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)
FSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)は責任ある森林管理を世界に普及させることを目的とする非営利団体です。
環境保全の点から見て適切で、社会的な利益にかない、経済的にも継続可能な森林管理を理念としています。
1994年に環境団体、林業者、林産物取引企業、先住民団体などが中心となって設立されました。
FSCジャパンのサイト
FSC認証のしくみ
FSC認証は、FSCから認定を受けた第三者認証機関が審査を行い、発行します。
森林の管理や伐採が環境や地域社会に配慮して行われているかどうかを評価し、その森林を認証します。
その森林から生産された木材や紙製品を含む木材製品にロゴマークを付け、市場に流通させます。
FSCラベルの種類
FSCラベルは3種類あるということです。
FSC100%
FSC認証林からの原料を100%使用している製品に付けられます。
FSCミックス
FSC100%、FSCミックス、FSCリサイクル、FSC管理木材、回収原材料など、FSCが認めている適格な原材料が複数使用されている製品に付けられます。
FSCリサイクル
回収原材料を100%使用している製品に付けられます。
木材製品の場合は回収原材料の85%以上が、消費者の手に渡り使用されてから回収された原材料である場合に付けられます。
参考リンク
WWF(世界自然保護基金)もFSC認証を推奨しており、ウェブサイトにFSCについてのページがあります。
森林認証制度PEFCとの違いについて
FSC認証と似ているものにPEFC森林認証プログラムというものがあります。
PEFCの評価については以下のウェブページ等をご参照ください。
参考リンク
FSC認証を受けていれば必ずしも安心というわけではない
FSC認証を受けている製品なら絶対に低環境負荷であると、無批判に思い込まないよう注意が必要です。
国際環境NGOグリーンピースが、認証の透明性向上が必要であると主張してFSCから脱退したニュースも伝えられています。
グリーンピースが脱退したとしても、FSC認証は依然として商品を選ぶときの目安にはなります。
現在もグリーンピースの発行物ではFSC認証用紙が使われています。
常に自ら情報を取り入れて、環境負荷の低い製品を見極めるよう努力しましょう。
参考リンク
エコマーク
エコマークの事業は、公益財団法人日本環境協会が運営しています。
エコマークのサイ
プリンター用紙関連のエコマーク認定基準
エコマークは、商品類型ごとに認定基準が色々あります。
コピー用紙、インクジェット用紙などのカラープリンタ用紙は、情報用紙のグループの認定基準が適用されます。
認証基準の例としては、コピー用紙は古紙パルプ配合率、森林認証材パルプ利用割合、間伐材等パルプ利用割合、持続可能性を目指した原料調達に基づいて調達されたパルプ利用割合、白色度及び坪量を、決められた算定式を使って評価した評価値によって判断します。
カラープリンタ用紙は古紙パルプ配合率が70%以上であること、などの基準があります。
その他、細かい基準がたくさん設けられています。
グリーン購入法
グリーン購入法は、国や地方自治体などで環境負荷の低減に資する物品・役務の調達を推進することや、環境物品の情報の提供などを目的に作られた法律です。
参考リンク
グリーン購入法適合品のマークはない
グリーン購入法適合品を示すマークのようなものはありません。
メーカーが、分かりやすいように自社なりのマークを付けている場合などはあります。
グリーン購入法適合の基準
グリーン購入法第6条第2項第2号に規定されている基準を満たす製品がグリーン購入法適合品です。
エコマーク認定品の用紙はグリーン購入法適合品
用紙に関して色々とグリーン購入法の適合基準が設けられていますが、エコマーク認定品はグリーン購入法の適合基準を満たします。
バージンパルプ原料使用品は、森林認証マークを参考にして
古紙を使用していない、バージンパルプ原料を使用した用紙を購入する場合は、以下の森林認証マークが参考になる、とグリーン購入法の手引きに書かれています。
- FSC森林認証制度
- 間伐材マーク
など
再生紙使用マーク
再生紙使用(R)マークは、現在の「3R活動推進フォーラム」の前進「ごみ減量化推進国民会議」によって定められたシンボルマークです。
参考リンク
再生紙使用(R)マークの認定基準・意味
Rマークは古紙パルプがどのくらい配合されているかが一目で分かるようにしたものです。
正しい古紙パルプ配合率を表示したり、コーティング加工した再生できない紙ではない、などの条件を満たしていれば、申請や届け出は不要で、誰でも無料で自主的に使用できます。
環境対応に関する認証マークのある用紙の例
以上のようなマーク類を目安に環境負荷の低い用紙を選んで、持続可能な事業活動、趣味活動にしていきましょう。
A4コピー用紙など
B5コピー用紙など
A3コピー用紙
B4コピー用紙
以上、プリンター用紙を選ぶときに参考になるよう、用紙の環境対応についての各種認証マークについて調べてみました。
参考記事