カラーマネジメントで、デバイスに依存しない絶対的な色を表すのにL*a*b*値をよく使います。
そして、違うデバイスどうしでも表現されている色のL*a*b*値が同じなら、人間の目に同じ色に見える、という前提でカラーマネジメントは成り立っています。
細かく言うと、人によって見え方が違うので測色器で測って色差0の二つのものは全員が同じ色に見えるわけではありません。
全く同じ波長の光でなくても、同じ色に見える場合がある
光は色々な波長が混ざった電磁波で、分光強度分布がまったく同じ光なら当然人間の目にまったく同じに見えますが、分光強度分布が違っていても場合によって人間の目には同じ色に見えます。
そのような仕組みを使ってプリンターやディスプレイなどの色を表現するデバイスは成り立っています。
L*a*b*は光そのものではなく人にとっての見え方を表したもの
測色器で測ったL*a*b*値は、光の分光強度分布そのものではなく、その分光強度分布を示す光を人間の目で見たときの見え方を表したものです。
ところが、測色器で二つのものを測色してL*a*b*値が同じだったとしても、実は少し色が違って見えてしまう人もいる可能性があります。
L*a*b*の土台の等色関数はたくさんの人の見え方の平均くらいをとったもの
L*a*b*で色を表現する方法の土台になっているものは等色関数というもので、たくさんの人について色の見え方を実験して、平均くらいをとって作った人間の色の見え方を表した関数です。
人によって見え方には差があるので、その見え方を数値で扱うにあたり平均あたりで決めざるを得ません。
よって、色と人の組み合わせ次第で平均からかなり離れた見え方をする場合もあるかもしれません。
そういう理由で、L*a*b*値が同じ二つのものは誰もが同じ色に見えるというわけではなく、もしかすると少し違う色に見えている人もいるかもしれない、ということになります。
ただこれはかなり厳密に言ったときの話で、通常は色差0なら誰にも同じ色に見える、という前提で作業します。
分光強度分布が同じ二つの光なら誰にでも同じに見える
三原色を混ぜ合わせて分光強度分布は違うけれども擬似的に色を似せているのではなく、分光強度分布がまったく同じ二つの光であれば、その二つの光は誰でも同じに見えます。
以上、人によって見え方が違うので測色器で測って色差0の二つのものは全員が同じ色に見えるわけでないことをご紹介しました。
参考記事