ディスプレイ表示を正確にするために、ディスプレイのキャリブレーション用のツールとして有名なものに「i1Display Pro(アイワン・ディスプレイプロ)」があります。
しかし「i1Display Pro」は三刺激値直読の方式であり、後々プリンターのプロファイルも作成できるようアップグレードしたりはできません。
ディスプレイキャリブレーションツールで、測色器が分光測色計で後々CMYKプリンタープロファイル作成などフル機能にグレードアップできる製品にx-Rite®「i1Basic Pro2」があります。
ここでは、x-Rite「i1Basic Pro2」(KHG0906)はどういうキャリブレーションツールなのか、まとめてみます。
現在は後継の機種i1Basic Pro3が発売されています。
機器などを買うときの参考情報
電子機器の製造には深刻な国際問題も関係しています。
機器を使用する私たちユーザーもそれらの国際問題の当事者の一人です。
物を買う場合は社会的責任を果たしているメーカーや店の製品を選んで、やりがいのある仕事や創作活動をしましょう。
武装勢力や児童労働と関わりのある原料
報道によれば、電子機器などの製造に必要な鉱物には武装勢力の資金源になっている鉱山で生産されたり児童労働につながっているものがあります。
紛争や児童労働などに関わりのない鉱物を使用しているかどうか、製造メーカーがきちんと管理された道筋で原料を調達しているかどうかなどを確認してみましょう。
「メーカー名 + 紛争鉱物」などで検索すると、メーカーの公式サイト内の原料調達に関する取り組みや調査結果の報告のページなどが見つかります。
詳しく取り組みや結果を報告しているメーカーもあれば、報告などはほとんど公開していないメーカーもあります。
参考
参考書籍
以下の本で先進国から他の貧困国へ環境汚染その他の被害が押し付けられ外部化されていることが説明されていました。
使用後の壊れた製品の回収
壊れたパソコンのモニターなどは法律に従ってPCリサイクルや小型家電リサイクルに、その他の壊れた電子機器なら法律に従って小型家電リサイクルに出したりして再資源化します。
パソコンやモニターの場合なら「メーカー名 + PCリサイクル」などで検索すると各メーカーの回収・再資源化の申込や回収率の報告書などのページが見つかります。
分かりやすくていねいに説明しているメーカーもあれば、そうでもないメーカーもあります。
「i1Basic Pro2」(アイワン・ベーシック プロ2)の仕様の大まかな説明
ディスプレイキャリブレーションツールにはi1Basic Pro2以外にも色々あります。それらと比較しながら、i1Basic Pro2がどういう仕様か大まかに見てみましょう。
測色器が分光測色計
i1Basic Pro2の測色計は分光測色計「i1 Pro2」です。
これが大きな違いの一つです。分光測色計は光の色々な波長の強さをすべて測定します。その結果からCIELAB表色系などの数値を計算します。
一方「i1Display Pro」や「カラーモンキー ディスプレイ」などの測色器は三刺激値直読の色彩計です。これは、人間の目に存在する三種類のセンサーの器官の反応と似た特性のセンサーで色を読みとる方式です。
この方式は簡易的な方式で、価格も安い場合が多いです。
後からフル機能にアップグレードできる
測色計が「i1 Publish Pro2」と同じi1Pro2なので、ディスプレイキャリブレーション機能だけでなく、フル機能にアップグレードできます。
これがもう一つの大きな違いです。
フル機能のバージョンへのアップグレードのみらしい点に注意
ただし、アップグレードはCMYKプロファイル作成の機能などもすべて含むフル機能へのアップグレードのみらしいです。
よって、後々RGBプリンターのプロファイル作成機能だけ必要になった場合でも「i1 Photo Pro2」へのアップグレードのプランはなく、フル機能へのアップグレードをしなければならなくなるようです。
そのため、後々RGBプリンターのプロファイル作成機能だけが必要になるなら、初めから「i1 Photo Pro2」を購入した方が安く済むとのことです。
購入するときはこの辺りを販売店によく確認する必要があります。
白色点、輝度、ガンマなど、自由に設定
プロ仕様の製品なので白色点、輝度、ガンマなど、すべて自由に設定できます。規格からも選べます。
フレア補正や環境光の影響の補正なども可能
プロ仕様の製品なので、フレア補正や環境光の影響の補正など細かいこともできます。
以上、x-Rite「i1Basic Pro2」(KHG0906)はどういうキャリブレーションツールなのか、まとめてみました。
i1Basic Pro2
参考記事