光沢があり、バライタ紙を再現したHahnemühle/ハーネミューレの写真向き高級インクジェット用紙にFineArt Baryta/ファインアートバライタがあります。
ファインアートバライタはどのようなインクジェットペーパーか見てみます。
ファインアートバライタはハーネミューレの高級インクジェット用紙
FineArt Baryta/ファインアートバライタは、Hahnemühle/ハーネミューレの作品用高級インクジェット用紙の「グロッシーファインアート」シリーズの用紙の内の一つです。
メーカーのページ
メーカーのカタログによる主な特徴
バライタフォトペーパーの質感を再現
バライタ紙は現在一般的なRCペーパー(レジンコート紙)の印画紙が普及する前に使われていた印画紙です。RCペーパーが普及してバライタ紙の需要は減少したものの、高級印画紙として使われ続けました。
現在も写真のプリント向きの高級インクジェット用紙などでバライタタイプの印画紙を再現した用紙が作られています。
「ファインアートバライタ」はバライタ紙の質感を再現した用紙です。
無酸性 アシッドフリー
現在一般的に売られている紙はほとんどが中性紙であり酸性ではありませんが、短期使用する紙と違い長期保存に耐えるためには一般的な紙以上に無酸性であることは重要です。
高級インクジェット用紙には、長期保存に耐えるようアシッドフリーと明記された用紙がよくあります。
「ファインアートバライタ」はアシッドフリーと明記された無酸性の紙です。
実際に見た雰囲気、プリンター出力の例
厚さなど
ファインアートバライタは厚さ0.41mm、坪量325g/m2です。
EPSON®の写真用光沢RCペーパーの写真用紙クリスピア<高光沢>が厚さ0.30mm、坪量300g/m2、写真用紙<光沢>が厚さ0.27mm、坪量255g/m2です。
ファインアートバライタは一般的なRCペーパーの写真用光沢紙と比べて厚さは厚く、密度は低めの用紙です。
厚さの雰囲気としては一般的な画用紙くらいの厚さです。(画用紙と言っても色々な厚さのものがあるので、あくまで大雑把な雰囲気です。)
表面の様子
表面はわずかなテクスチャー感があり、光沢があります。
蛍光増白剤が少し入っているということで、白色度が高いです。
フォトラグバライタと似ている
ファインアートバライタはフォトラグバライタとかなり似ている用紙です。
材質が異なります。「フォトラグバライタ」はコットン100%の紙で、「ファインアートバライタ」は一般的な紙と同じαセルロースの紙です。
蛍光増白剤の使用の有無も異なります。「フォトラグバライタ」は蛍光増白剤不使用ですが、「ファインアートバライタ」は蛍光増白剤が少し入っています。
参考記事
インクジェットプリンターで印刷した時の色域の一例
ファインアートバライタは一般的なRCペーパーの写真用光沢インクジェット用紙に近いくらい広い色域で印刷できます。
ファインアートバライタに写真をプリントする場合
インクジェットプリンターでファインアートバライタを使用する場合、厚い用紙で多少反りがある場合もあるのでプリントヘッドが用紙に接触しやすく注意が必要です。
また、インクジェットプリンター出力全般に言えることですが、単純にプリンター出力を行うとモニターの表示と比べて鮮鋭さが下がりわずかにボケた状態に見えてしまうことも多いです。モニターの表示と近い鮮鋭さで出力するためには画像データに対し多少の処理が必要です。
ファインアートバライタに写真をプリントする場合で、事務所や家庭のプリンターで出力が困難な場合は、当事務所のプリントサービスへご依頼頂けますと幸いです。
以上、ファインアートバライタはどのようなインクジェットペーパーか見てみました。
参考