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【旧情報】カラーマネジメントモニターCS2420のスペック フォトレタッチに十分

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 AdobeRGBをほぼカバーしているカラーマネジメントモニターの中では価格が低めの製品にEIZO®のCS2420があります。
 このディスプレイはフォトレタッチ作業をするには十分な機種です。
 ここでは、フォトレタッチ用途の側面から、CS2420の主なスペックについてみてみます。

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機器などを買うときの参考情報

 電子機器の製造には深刻な国際問題も関係しています。
 機器を使用する私たちユーザーもそれらの国際問題の当事者の一人です。
 物を買う場合は社会的責任を果たしているメーカーや店の製品を選んで、やりがいのある仕事や創作活動をしましょう。

武装勢力や児童労働と関わりのある原料

 報道によれば、電子機器などの製造に必要な鉱物には武装勢力の資金源になっている鉱山で生産されたり児童労働につながっているものがあります。

 紛争や児童労働などに関わりのない鉱物を使用しているかどうか、製造メーカーがきちんと管理された道筋で原料を調達しているかどうかなどを確認してみましょう。
 「メーカー名 + 紛争鉱物」などで検索すると、メーカーの公式サイト内の原料調達に関する取り組みや調査結果の報告のページなどが見つかります。
 詳しく取り組みや結果を報告しているメーカーもあれば、報告などはほとんど公開していないメーカーもあります。

参考

紛争下の性暴力の構造と日本の取り組み
コンゴでは1996年以降紛争が続き、累計で600万人の犠牲者が出てきました。特にコンゴ東部では、豊富な鉱物資源を資金源として100組織を超える武装勢力が闘争を続け、住民に対する人権侵害を行っています。その人権侵害の一環として、組織的な性暴力が行われています。本シンポジウムでは、コンゴ東部で性暴力被害者への医療に取り組むデ二・ムクウェゲ医師を講師として招き、コンゴ東部における紛争下の性暴力の実態についてお話しいただきます。平和と正義の実現のためにわたしたちに何ができるのか、考えてみませんか。
デニ・ムクウェゲ医師来日講演会:平和・正義の実現と女性の人権(日本語字幕表示可能)
コンゴでは1996年から紛争が続き、死者600万人、難民・国内避難民400万人を数え、何十万人という女性が性暴力被害に遭ってきました。ムクウェゲ医師が運営するコンゴ東部のパンジ病院には毎日平均10人の被害者が運び込まれています。被害者への支援は、医療ケア、精神ケア、経済支援、法的支援の4つの柱が重要ですが、問題の根本的解決に向け特に「不処罰の課題」に取り組む必要性を医師は強く訴えました。
コンゴ民主共和国:スマートフォンの裏に児童労働 : アムネスティ日本 AMNESTY
アップル、サムソン、ソニーなど著名なエレクトロニクス企業は、児童労働など不当に採掘されたコバルトが自社の製品に使われていないかどうかを認識していない。アムネスティ・インターナショナルとアフリウォッチは1月19日、調査報告書の中で明らかにした…

参考書籍

 以下の本で先進国から他の貧困国へ環境汚染その他の被害が押し付けられ外部化されていることが説明されていました。

人新世の「資本論」 (集英社新書)

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使用後の壊れた製品の回収

 壊れたパソコンのモニターなどは法律に従ってPCリサイクルや小型家電リサイクルに、その他の壊れた電子機器なら法律に従って小型家電リサイクルに出したりして再資源化します。

 パソコンやモニターの場合なら「メーカー名 + PCリサイクル」などで検索すると各メーカーの回収・再資源化の申込や回収率の報告書などのページが見つかります。
 分かりやすくていねいに説明しているメーカーもあれば、そうでもないメーカーもあります。

CS2420はAdobeRGBカバー率99%の手に入れやすいカラーマネジメントモニター

 CS2420はAdobeRGBカバー率99%で、価格が低めのカラーマネジメントモニターです。

 AdobeRGBの色域が表示可能な機種はかなり高いものが多い中、CS2420はEIZOの製品の中では低価格の製品です。

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表示色域 AdobeRGBカバー率99%

 カラーマネジメント対応ディスプレイを購入する方が一番気になると思われる色域については、AdobeRGBカバー率99%ということです。

 フォトレタッチ作業に十分です。

補足説明 表示可能な色域がAdobeRGBをカバーしていないとAdobeRGBのデータを扱えないわけではない

 ディスプレイの表示可能な色域がAdobeRGBをカバーしていないと、AdobeRGBのデータを扱えない、というわけではありません。

 カラーマネジメントの仕組みは、AdobeRGBの色域を持ったデータをsRGBしか表示できないディスプレイでも扱えるようになっています。

参考記事

AdobeRGBで撮影した写真はsRGBの色域のモニターでも正常に表示可能
AdobeRGBで撮影した写真はAdobeRGBの色域をカバーしたディスプレイでないと正しく表示できないという誤解がとても多いようです。 実際は、カメラ、モニター、プリンターなど色を扱うデバイスが表現可能な色域はたいていは異なっています。 ...

ウェブサイトを見るときなど、AdobeRGB色域で支障がある時は「sRGBモード」にすれば良い

 一般的なsRGBくらいのディスプレイで自然に表示されるものが、広色域のディスプレイではかなり彩度が高く表示されたりすることがあり得ます。

 例えば、カラーマネジメントに対応していないウェブブラウザを使ってウェブサイトを閲覧するときなどです。

 そういう場合は、自分のディスプレイの色域が他の多くの人のディスプレイより広いために逆に使いにくい、ということになります。
 そういう場合は「sRGBモード」などを使って表示することで解決できます。

専用キャリブレーション用ソフトは「ColorNavigator6」

 キャリブレーション用ソフトウェアは「ColorNavigator6」を使います。
 「ColorNavigator6」を使うことで、ハードウェア・キャリブレーションができます。

ハードウェア・キャリブレーションとは

 ハードウェア・キャリブレーションは、パソコンから送られてくる映像の信号を変更せずに、ディスプレイの内部で白色点・ガンマ・輝度を調整する方法です。映像の信号を減らさずに調整できるので画質が劣化しません。

「ColorNavigator6」以外のキャリブレーション用ソフトは使えるのか

 「ColorNavigator6」以外のキャリブレーションソフトも一応使えます。
 例えば、x-rite®「カラーモンキー」やx-rite®「i1 Display Pro」の付属キャリブレーションソフトも使えます。

 しかし、「ColorNavigator6」以外のキャリブレーション用ソフトを使用した場合はソフトウェア・キャリブレーションを行うことになります。
 よって、カラーマネジメントモニターを使っている意味があまりなくなります。

ソフトウェア・キャリブレーションとは

 ソフトウェア・キャリブレーションとは、パソコンから送り出される映像の信号自体の各成分を減らして白色点の色温度・ガンマ・輝度を調整する方法です。映像の信号を減らして調整するため、少し画質は劣化します。

測色器外付けのディスプレイ

 「CS2420」は測色器は内蔵されていません。キャリブレーションするときに測色器を外付けして使用します。

どのような測色器が使えるのか

 「ColorNavigator6」に対応している測色器であればハードウェア・キャリブレーションができます。

 以下は使用可能な測色器の一例です。
(EIZO®のウェブサイト内の「ColorNavigator6」の紹介ページに使用可能なキャリブレーションセンサーの一覧があります)

参考リンク

ディスプレイのキャリブレーションをするだけなら

  • i1 Display Pro
  • EX3
  • Spyder5

など。

i1 Display Pro

EX3

Spyder5

スマホなどのモバイル機器のICCプロファイルをつくる機能も使いたい場合

  • i1 Pro 2

など。

i1 Pro 2

無線LANを使う場合は子どもや若者のいない場所で作業しましょう

 携帯電話とマイクロ波を照射する機器の使用は、人体への危険性が指摘されています。
 特に子どもや若者は受ける影響がより大きいことが指摘されています。

 欧州評議会議員会議では2011年に、学校の敷地内での携帯電話の使用の規制や有線インターネット接続を優先することなどを含む決議が採択されています。

 フランスでは、保育園などにおける無線機器の使用禁止、小学校においてデジタル教育以外では無線LANの使用不可などを定める法律が制定されているとのことです。

 そういった諸外国の動きから考えても、無線LANを使用せざるをえない作業は念のため子どもの生活エリア以外で行った方が良いでしょう。

参考記事

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参考記事

iPhoneを有線LANでインターネット接続する方法 Wi-Fiが使えない場所で
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カラーマネジメントモニター EIZO® ColorEdge® CS2420 その他の主なスペック

液晶パネルの種類 IPS

 フォトレタッチ作業に十分です。
 IPSパネルは、液晶セルの液晶分子の配列方法で最も一般的なTNのパネルの視野角が狭いという欠点を解消した方式です。
 現在カラーマネジメントディスプレイとして販売されているディスプレイはほとんどIPSパネルを使っているようです。

サイズ 24.1型

 24.1型であればフォトレタッチ作業に十分です。

画素密度 94ppi

 フォトレタッチ作業に十分です。

表示色

 DVI、HDMIの場合は「約1677万色:8bit対応(約278兆色中/16bit-LUT)」ということで、実際に表示する色数より多い情報を使って計算した後に表示を行っており、色再現・階調表現など写真の作業に十分で問題ありません。

視野角(水平/垂直、標準値) 178°/178°

 液晶表示モードの種類はIPSであることで、視野角は広めの178°です。
 フォトレタッチ作業に問題ありません。

輝度 350cd/m2

 フォトレタッチ作業に十分です。

 フォトレタッチなら通常は80〜120cd/m2くらいの範囲で作業します。

 スマホなどの初期状態くらいの明るさを再現して作業する場合にも、160cd/m2前後にできれば十分なので、350あれば問題ありません。

コントラスト比 1000:1

 フォトレタッチ作業に十分です。

応答速度 15 ms(中間階調域)

 写真など静止画の作業をする分には何も問題ありません。

ゲーム用のディスプレイ

 ゲーム用のディスプレイなどは応答速度が速い必要があるので3msや1msなどの機種もあります。
 そういったディスプレイは、応答速度が速い代わりに液晶表示モードの種類がTNなどであるため視野角が狭目で、画質もカラーマネジメント対応ディスプレイに比べると低いです。

Quick Color Match対応

 写真などをプリンターで印刷するとき、カラーマネジメントにそれほど慣れていなくても、ソフトがカラーマネジメント関連の設定をしてくれるソフト「Quick Color Match」が付属しています。

 「Quick Color Match」に対応しているプリンター、対応している用紙を使うことで、「Quick Color Match」がカラーマネジメントの設定をしてくれるので、設定を間違わずにうまく出力しやすくなるというものです。

各色覚の人にとっての見えにくさを確認できるソフト「UniColor Pro」に対応

 血液型と同じように、ものの見え方にもいくつかタイプがあり、グラフィックを作るときは各色覚の人にとって見えにくくないか確認する必要があります。

 CS2420は各色覚の人にとっての見えにくさを確認できるソフト「UniColor Pro」に対応しています。
 このソフトはEIZOのウェブサイトでダウンロードできます。

表示モード

 Custom、AdobeRGB、sRGB、Calibration(CAL)、といったモードがあります。

 sRGBモードがあるので、ウェブ用画像をsRGBにして確認したりできます。

 お好みの輝度・色温度なども記憶させておけるので、色温度・輝度とも低めの目にやしい設定を作っておいて、モード切り替えボタンで簡単に切り替えながら使えます。

スマホ等のデバイスのエミュレーションはできない

 デバイスのエミュレーション機能は、スマホなど他の表示装置の表示特性をディスプレイで再現する機能です。

 ColorNavigator6にはスマホ等のデバイスの表示をエミュレーションする機能がありますが、CS2420ではこの機能が使えません。

 ただし、i1 Pro2、ColorMunkiPhotoなど分光タイプの測色器があれば、スマホ等のデバイスのICCプロファイルを作ることだけはできます。

 よって、ディスプレイ表示全体でスマホの表示の再現はできなくても、Photoshopのドキュメント上だけで再現したりするとはできます。

 例えばスマホのICCプロファイルを作って、Adoeb® Photoshop®で画像データにICCプロファイルを指定することで、スマホの表示をPhotoshopドキュメント上だけで再現することはできます。

 以上、フォトレタッチ用途の側面から、CS2420の主なスペックについてみてみました。

ColorEdge CS2420

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参考記事

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