インクジェットプリンターで銀塩プリントと遜色のない写真プリントが可能になった現在、プリントする用紙は様々なものが選べます。
モノクロ写真に適した用紙の一例をみてみます。
- モノクロ写真をプリントする用紙は自由に選べば良い
- モノクロ写真のプリントに適したインクジェットプリンター用紙の一例
- ハーネミューレ「バンブー Bamboo」
- ピクトリコ「月光 GEKKO レッドラベルプラス」
- ピクトリコ「月光 GEKKO シルバーラベルプラス」
- ピクトリコ「月光 GEKKO パールラベル」
- イルフォード「モノシルクウォームトーン」
- ハーネミューレ「フォトラグ」
- ハーネミューレ「フォトラグ ウルトラスムース」
- ハーネミューレ「ファインアートパール」
- ハーネミューレ「ファインアートバライタサテン」
- ハーネミューレ「フォトラグバライタ」
- ハーネミューレ「ファインアートバライタ」
- イルフォード「ゴールドファイバーグロス」
- イルフォード「ゴールドファイバーパール」
- イルフォード「ゴールドファイバーラグ」
- イルフォード「ファインアートスムース200」
- イルフォード「ファインアートスムースパール」
- イルフォード「スムースコットンソノラ」
- イルフォード「マットコットンメディナ」
- イルフォード「ファインアートテクスチャードシルク」
- イルフォード「サテンフォト」
- イルフォード「グロッシーフォト」
- イルフォード「クリスタルグロス」
- EPSON「UltraSmooth Fine Art Paper」
- 他にも色々ある
モノクロ写真をプリントする用紙は自由に選べば良い
インクジェットプリンター出力ならどの用紙でも自由に選べる
フィルムカメラで撮影し、フィルムを現像して印画紙にプリントする方法なら、モノクロ写真用の製品を選ぶ必要があるでしょう。
一方、写真をインクジェットプリンターで出力する場合はカラーでもモノクロでも作業はほとんど同じであり、用紙もカラーとモノクロで区別はありません。モノクロ写真用として販売されているインクジェットプリンター用紙もありますが、メーカーがモノクロ写真に向いている用紙として作ったというだけであり、モノクロ写真向きのインクジェット用紙にカラー写真をプリントしても何も支障はありません。
用紙メーカーの説明を目安にすると便利
写真をプリントする用紙は何を使っても問題ありません。プリントする人の自由です。
用紙メーカーがモノクロ写真に最適な製品として作っている用紙にカラーの写真を出力するのも、モノクロ写真のプリントに使う人が少ない用紙にモノクロ写真をプリントするのも、写真のプリント用として売られているわけではない用紙に写真をプリントするのも、プリントする人の自由でしょう。
とはいえ、用紙の種類は多くどれを選ぶべきが迷います。
用紙のメーカーが各用紙のおすすめの用途などを説明しているので、そういった説明を目安にして選ぶのも良いでしょう。
インクジェットプリンター出力はカラー写真もモノクロ写真もRGBで完成させて全く同じ手順で出力できます。
一方、オフセット印刷でモノクロ写真を印刷するのとカラー写真を印刷するのでは画像データの作り方がかなり違います。
カラー写真ならRGBで完成させ、予定している印刷条件に合わせてCMYKにプロファイル変換して印刷します。
モノクロ写真を1色で印刷するなら、予定している印刷条件のドットゲインを画像編集ソフトに設定してRGBやCMYKのデータではなくグレースケールのデータを完成させるか、RGBで完成させたモノクロ写真を印刷条件に合わせたドットゲインのグレースケール画像に変換するなどし、印刷へ進めます。
モノクロ写真をダブルトーンで印刷する場合も、予定している印刷条件のドットゲインに合わせてダブルトーンの画像データを完成させた後、CMYKの画像データに変えるなど自社の出力環境に合わせてデータを作り変えて、印刷へ進めます。
モノクロ写真のプリントに適したインクジェットプリンター用紙の一例
ハーネミューレ「バンブー Bamboo」
「バンブー」はマットで、わずかなテクスチャー感がある、竹繊維90%、コットン10%の用紙です。
メーカーの説明に、温かみのある自然な雰囲気を醸し出す、モノクロの芸術写真に特に適している、といった記載があります。
参考記事
ピクトリコ「月光 GEKKO レッドラベルプラス」
「GEKKO レッドラベルプラス」は半光沢で、画用紙風のテクスチャーのある、コットン100%のモノクロ写真向けの用紙です。
メーカーの説明には、おすすめ用途はモノクロ写真、画材紙でありながら黒濃度が高く広い階調表現が特長、といった記載があります。
ピクトリコ「月光 GEKKO シルバーラベルプラス」
「GEKKO シルバーラベルプラス」は半光沢で、細かい凹凸のある、モノクロ写真向けの用紙です。
メーカーの説明には、おすすめ用途はモノクロ写真、銀塩プリントに近い味わいを再現、バライタ調の風合いを感じさせるプリントが可能、といった記載があります。
ピクトリコ「月光 GEKKO パールラベル」
「GEKKO パールラベル」はパール調の強い光沢があり、表面は滑らかな、RCペーパーのモノクロ写真向けのプリンター用紙です。
メーカーの説明には、おすすめ用途はモノクロ写真、光や⾓度によって変化するシルバーに輝く光沢写真⽤紙、シルバーに輝く表⾯により階調表現に新たな軸を加え斬新な写真表現が可能、といった記載があります。
イルフォード「モノシルクウォームトーン」
「モノシルクウォームトーン」はモノクロ写真のための用紙と言って良いような用紙です。半光沢で、表面は滑らか、昔のモノクロ写真のような色と質感の、RCペーパーのプリンター用紙です。
メーカーの説明に、温かみのあるベースの色合いは深い黒と温かい白を表現する、この製品はモノクロ写真を愛するフォトグラファーのために特別に開発された、といった記載があります。
ハーネミューレ「フォトラグ」
「フォトラグ」はマットで、わずかなテクスチャー感がある、コットン100%の用紙です。
メーカーの説明に、モノクロとカラー写真のどちらにも適しており深みを感じる印象的な作品に仕上がる、といった記載があります。
ハーネミューレ「フォトラグ ウルトラスムース」
「フォトラグ ウルトラスムース」はマットで、テクスチャー感はほとんどない、コットン100%の紙です。
メーカーの説明に、perfect for high-quality black and white FineArt prints(高品質のモノクロのファインアートプリントには最適な用紙)、といった記載があります。
ハーネミューレ「ファインアートパール」
「ファインアートパール」はパール調の光沢があり、わずかなテクスチャー感がある、αセルロース100%の用紙です。
メーカーの説明に、白地が明るいブライトホワイトのパール面質でモノクロとカラー写真のどちらでも印象深いコントラストと奥行きのある作品を可能にする、といった記載があります。
参考記事
ハーネミューレ「ファインアートバライタサテン」
「ファインアートバライタサテン」はサテン調の微光沢で、ごくわずかなテクスチャー感がある、αセルロース100%の用紙です。
メーカーの説明に、非常に深い黒(Dmax)と高い鮮鋭度によりモノクロ写真にも最適、といった記載があります。
参考記事
ハーネミューレ「フォトラグバライタ」
「フォトラグバライタ」は光沢があり、わずかなテクスチャー感のある、コットン100%の用紙です。
メーカーの説明に、ユニークな光沢と質感でモノクロ写真に最適、高い最大濃度、豊かなグレーの階調再現が可能、といった記載があります。
参考記事
ハーネミューレ「ファインアートバライタ」
「ファインアートバライタ」は光沢があり、わずかなテクスチャー感のある、αセルロース100%の用紙です。
メーカーの説明に、モノクロ写真に最適で高い最大濃度と豊かなグレーの階調を再現する、といった記載があります。
参考記事
イルフォード「ゴールドファイバーグロス」
「ゴールドファイバーグロス」は光沢があり、わずかな細かいテクスチャー感のある、バライタ紙を再現したコットン100%の用紙です。
メーカーの説明に、優れた色表現域とシャープネス、光沢感のある面質によりカラ―・モノクロ問わず高品質なプリントを可能にする、といった記載があります。
参考記事
イルフォード「ゴールドファイバーパール」
「ゴールドファイバーパール」はパール調の光沢があり、わずかにテクスチャー感のある、バライタ紙を再現したαセルロース100%の用紙です。
メーカーの説明に、Gold Fibre Pearl is ideal for high quality black and white printing and offers an exceptional wide gamut for beautiful color reproduction, crisp detail and tonality(ゴールドファイバー・パールは、高品質のモノクロ印刷に理想的で、美しい色再現、鮮明なディテール、階調のための非常に広い色域を提供します)といった記載があります。
参考記事
イルフォード「ゴールドファイバーラグ」
「ゴールドファイバーラグ」は半光沢で、わずかなテクスチャー感のある、バライタ紙を再現したαセルロース100%の用紙です。
メーカーの説明に、優れた色再現域と濃度域で諧調性豊かなカラーおよびモノクロのファインアートプリントに適している、といった記載があります。
参考記事
イルフォード「ファインアートスムース200」
「ファインアートスムース200」はマットで、テクスチャー感はほとんどない、αセルロース100%の用紙です。
メーカーの説明には、色再現性に優れ滑らかなマット面質は被写体を選ばずモノクロ・カラ―いずれでも素晴らしい作品を仕上げる事ができる、といった記載があります。
イルフォード「ファインアートスムースパール」
「ファインアートスムースパール」は半光沢で、少しテクスチャー感のある、αセルロース100%の用紙です。非プリント部はマットでプリント部は光沢が出ます。
メーカーの説明に、プリントしていない部分はアート紙由来のマット面質でプリント部分は微かな光を放ち、柔らかな光沢感を表現、モノクロプリントにも適している、といった記載があります。
イルフォード「スムースコットンソノラ」
「スムースコットンソノラ」はしっとりしたマットの質で、テクスチャー感はほとんどない、コットン100%の用紙です。
メーカーの説明に、暖かく優しい表現にもおすすめ、ポートレートでは肌や髪の質感を表現、風景はしっとり上品な印象に仕上がる、耐久性にも優れカラー・モノクロ問わず作品制作に使える、といった記載があります。
イルフォード「マットコットンメディナ」
「マットコットンメディナ」はマットで、画用紙風のテクスチャーのある、コットン100%の用紙です。
メーカーの説明に、落ち着いたテクスチャーは写真画質に影響を与えすぎず立体感と風合いを演出する、耐久性にも優れカラー・モノクロ問わず作品制作に使える、といった記載があります。
イルフォード「ファインアートテクスチャードシルク」
「ファインアートテクスチャードシルク」はマットで、わずかにテクスチャー感のある、コットン25%αセルロース75%の用紙です。
メーカーの説明に、優れた色表現域とコントラスト、シャープネスにより品質の高いプリントを提供する、モノクロプリントにも適する、といった記載があります。
イルフォード「サテンフォト」
「サテンフォト」はサテン調の光沢があり、細かい粒状感のある、RCペーパーのプリンター用紙です。
メーカーの説明には、ポートレートから自然写真、モノクロ写真、抽象画、マクロ撮影、建築写真等様々な用途で使える、といった記載があります。
イルフォード「グロッシーフォト」
「グロッシーフォト」は高光沢で、表面は滑らかな、RCペーパーのプリンター用紙です。
メーカーの説明には、ポートレートから自然写真、モノクロ写真、抽象画、マクロ撮影、建築写真等様々な用途で使える、といった記載があります。
イルフォード「クリスタルグロス」
「クリスタルグロス」は非常に強い光沢があり、表面は滑らかな、RCペーパーのプリンター用紙です。
メーカーの説明には、速乾性に優れたRCペーパーベースでモノクロ・カラーを問わず印象的な作品に仕上がる、といった記載があります。
EPSON「UltraSmooth Fine Art Paper」
「UltraSmooth Fine Art Paper」はマットで、テクスチャー感はほとんどない、コットン100%の用紙です。
メーカーの説明には、紙の地色がオフホワイトのため温調な仕上がりになる、表面が平滑でコットンのような柔らかい質感なので自然な風合いのモノクロ写真やファインアート系の出力に適する、といった記載があります。
他にも色々ある
インクジェットプリンター用紙は様々な種類のものが作られており、上記の用紙はあくまで一例です。
以上、モノクロ写真に適した用紙の一例をみてみました。
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