レーザープリンターを使っていて、出力結果の色がおかしくなったとき、対処の仕方は普通のインクジェットプリンターより少し難しいです。
ここでは、レーザープリンターなどの印刷結果の色がおかしい場合、どうすると良いかをご紹介します。
ただし、メーカーによってRIP内の処理も色々あり、一般的なインクジェットプリンターほど単純ではないので、一般的に語れる範囲で述べます。
普通のレーザープリンター等は「CMYKプリンター」
普通のレーザープリンターはRIPがあり、版を作って出力する「CMYKプリンター」という分類のプリンターです。
「CMYKプリンター」の色の管理は難易度が高い
一般的なインクジェットプリンターは「RGBプリンター」という分類のプリンターです。
「RGBプリンター」の色の管理は、「CMYKプリンター」に比べると難易度が低いです。
一方「CMYKプリンター」の色の管理は少し難易度が高いです。
レーザープリンターの色がおかしいときの対処法
色がおかしいときの対処1 プリンターの機能でキャリブレーション・階調の補正をする
レーザープリンターにはたいていの場合、「階調の補正」「カラー階調の補正」というような名前や、「キャリブレーション」というような名前で、プリンターの機能として自分自身の色を調整するメニューが備わっています。
説明書を見るとたぶん上記のような名前の機能があります。
スキャナー・コピー機能が付属していない機種の場合、テストプリントして目視で調整する仕組みになっているものがよくあります。
スキャナー・コピー機能が付いている機種の場合、テスト印刷したものをプリンター付属のスキャナーでスキャンして簡易的に測色して調整するものがよくあります。
まずその機能を使って、色のおかしさを調整します。
色がおかしいときの対処2 メーカーに問い合わせる
プリンター付属のカラー階調補正・キャリブレーションの機能だけでは色のおかしさが解決しなければ、メーカーに問い合わせます。
インクジェットプリンターと違いRIPの設定もあってややこしいので、メーカーに問い合わせた方が良いかもしれません。
色がおかしいときのその他の対処 ハイレベルではあるものの自分でプリンター用出力プロファイルを作成する
難易度は高いものの、自分でプリンタープロファイルを作って色をコントロールすることもできます。
まずプリンター自身の機能で「キャリブレーション・カラー階調補正」といった名前の調整を行います。
次にi1StudioなどのCMYKプリンターのプリンタープロファイル作成ができるツールを使ってプロファイルを作ります。
完成したプリンタープロファイルを使って、RIPの色補正の機能などは使わず自作プロファイルだけで色を補正して出力します。
色補正をかけないで出力するのが難しい点
プリンタープロファイルを作成したり、プリンタープロファイルを使って出力する場合、プリンターのRIPで色補正がかけられないようにする必要があります。
ところが、CMYKプリンターのRIPの設定は普通のインクジェットプリンターのドライバーの設定よりかなりややこしく、思うように色補正をかけないようにするのが難しい場合もあります。
参考情報 印刷業界などで使っているレーザープリンターは高精度のキャリブレーションの機能が付いている
以上の説明のように、レーザープリンターは普通のインクジェットプリンターのようにプリンタープロファイルを作成して色をコントロールするのが大変です。
印刷業界などでレーザープリンターを使う場合も、インクジェットプリンターのようにプリンタープロファイルを作成してコントロールしていない場合が多いです。
印刷業界などで使っている高度なカラーマネジメント機能付きのレーザープリンターは、「キャリブレーション・カラー階調補正」といったプリンター付属の機能が高性能になっています。
パッチをテスト印刷して、外部の測色器で測って、測色結果をプリンターのRIPに入れておいて出力をコントロールしています。
参考 CMYKプリンターにRGBデータを送るとどうなるか
CMYKプリンターにRGBデータを送ってプリントするとどうなるでしょうか。
CMYKプリンターにRGBデータを送ると、一般的には以下のような感じに処理されます。
- RGBデータをプリンターが受け取ります。
- プリンターで、RGBの入力プロファイルとして設定されているプロファイルでRGBデータの色が解釈されます。
- RGBデータの色がプリンターの色空間に変換されます。
- プリンターから印刷されます。
一般的に語れる範囲で書きましたが、細かいことはメーカーに聞かないと分かりません。
レーザープリンターは何かと複雑です。
以上、レーザープリンターなどの印刷結果の色がおかしい場合、どうすると良いかをご紹介しました。
参考記事
プリンターの本