ディスプレイとプリンターの色を合わせるとき、どちらかの色をどちらかに合わせるイメージがあるかもしれません。
しかし、一般的なカラーマネジメントはそのように調整するわけではありません。
ここでは、カラーマネジメントはデバイスどうしで色を合わせあうわけではないということをおおまかにご説明します。
カラーマネジメントではディスプレイとプリンターのどちらかを基準にして色を合わせるわけではない
プリンターとディスプレイなどをカラーマネジメントの理屈に従って設定や調整をすることを「プリンターとパソコン画面の色を合わせる」と言ったり、思い通りの色に出力されなければ「画面とプリンターの色が合わない」と言ったりします。
そういう言い方に現れている通り、プリンターやディスプレイ周辺のカラーマネジメントは「プリンターとディスプレイ表示の色を合わせる」作業のようなイメージがあるかもしれません。
結果的にプリンターとディスプレイ表示の色を合うようにするので間違いではありませんが、カラーマネジメントに詳しくない人が聞くと誤解するかもしれません。
カラーマネジメントを利用してプリンター出力とディスプレイ表示の色を合わせる作業は、プリンター出力とディスプレイ表示を相互に合うように調整していくわけではありません。
(※基本的な理屈では、です。)
プリンター出力とディスプレイ表示を合わせる手順の 簡単な説明
絶対的な色
例えば写真のJPGデータは、表示するディスプレイや開くソフト次第で色合いが変わります。
PCモニターの売り場に並んでいるモニターに映っている映像が、同じ映像でも色合いに差があることで分かります。
Photoshopのようなカラーマネジメント対応のアプリケーションソフトでデータを開くと、ソフト内で何らかの絶対的な色に確定されます。
楽器をチューニングするとき、Aの音を446Hzにしたり440Hzにしたり自由にできます。
絶対的な色が確定するというのは、音楽に例えればAの音は440Hzということにする、と決めるのと似ています。
ディスプレイの画面の色がデータの絶対的な色と同じになるよう調整
ディスプレイ表示の色が、データが示している絶対的な色と同じになるように、キャリブレーションしたりディスプレイプロファイルを作成したりして調整します。
プリンターの印刷結果がデータの絶対的な色と同じになるよう調整
プリンターの印刷結果の色が、データが示す絶対的な色と同じになるように、キャリブレーションしたりプリンタープロファイルを作成したりして調整します。
結果的にディスプレイの画面とプリンターの印刷結果が同じくなる
プリンターの印刷結果もディスプレイ表示も、共にデータが示す絶対的な色と同じ色になっていれば、結果的にプリンターの印刷結果とディスプレイ表示の色が合うということになります。
楽器のチューニングと似ている
以上の仕組みは、音楽で言えば各楽器をそれぞれ「Aが440Hz」など同じ基準でチューニングすれば、きれいにバンド演奏ができる、ということと似ています。
以上、カラーマネジメントはデバイスどうしで色を合わせあうわけではないということをおおまかにご説明しました。
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