有名なモニターキャリブレーションツールに、X-Rite®のi1Display ProとColorMunki Displayがあります。
両方とも機能が似ているので、どちらを選べば良いか迷うかもしれません。
ここではi1Display ProとColorMunki Displayの主な違いについて紹介します。
ColorMunki Displayは製造終了になり現在はi1Display Studioの後継機「ColorChecker Display」が発売されています。
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参考記事
i1Display Proは発売終了になり、X-Rite社の写真・映像向け製品の販売がCalibrite社へ移行した現在はi1Display Proの後継機Calibrite社「ColorChecker Display Pro」が発売されています。
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i1Display Proの方がColorMunki Displayより詳細な設定ができる
設定の違い
おおまかに言うと、Colormunki Displayよりi1Display Proの方がより詳細な設定ができます。
Colormunki Displayは、ディスプレイをキャリブレーションするための基本的な設定はできます。
一方、i1Display Proは、一般的な基準によるモニターキャリブレーションよりさらに細かい設定ができます。
ハードウェアの違い
測色器自体の中身に違いがあるのかどうかは、メーカーの人に聞かないと分かりません。
ColorMunki Display
i1Display Pro
X-Rite® Colormunki Displayでできる、主な設定など
Colormunki Displayは、専用のキャリブレーションソフトの設定欄が少なくすっきりしているので、詳しくない人でもあまり迷わずに使えます。
Colormunki Displayでできるキャリブレーションの内容の主なものを以下に述べます。
白色点の色
白色点の色は以下の項目から選べます。
- D50
- D55
- D65
- 固有の白色点
D50を選んで約5000Kにするか、D65を選んで6500Kにするか、D55を選んで約5500Kにするか、のいずれかの設定にする場合が多いです。
ですので、この項目があれば間に合う場合が多いでしょう。
白色点の輝度
定義済みの数値から選択できる
ディスプレイの白色点の輝度は80〜140cd/m2の範囲から10刻みで選べます。
たいていこの選択項目で足りる場合が多いでしょう。
環境光を測定して輝度を設定できる
定義済みの数値を選ばずに、部屋の明るさを測定して、その結果から輝度を設定することもできます。
ガンマ値
私が使ってみた限りではガンマ値の設定欄は見つからないので、規定の2.2くらいに設定されているのかもしれません。
ただ、カタログやパンフレットには、1.8か2.2から選べる、と書いてあります。
昔は選べたのかもしれません。
確かなことは不明です。
X-Rite® i1Display Proでできる設定などの例
i1Display Proで使用するキャリブレーションソフト「i1Profiler」は、様々な設定項目が用意されています。
そのため、ある程度慣れている人でないと設定に迷ったり、設定が正しいか不安になったりして使いにくいかもしれません。
i1Display Proでは、上記のColormunki Displayでできることの他、例えば以下のような設定などができます。
白色点の色
用紙の測定値を白色点の色の目標値に設定できます。
プリンター出力に使用する用紙の色を測定して、ディスプレイの白色点の色を用紙の色と近い色に調整できます。
別のモニターの白色点の色を測定して、その測定値を白色点の色の目標値に設定できます。
xy値で白色点の色の目標値を設定できます。
輝度
1cd/m2単位で輝度目標を設定できます。
用紙の測定値を輝度目標に設定できます。
プリンター出力に使用する用紙の輝度を測定して、ディスプレイの明るさを用紙の明るさと近くなるよう調整することができます。
別のモニターの白色点の輝度を測定して、その輝度値を輝度目標に設定できます。
ガンマ値
ガンマ値を細かく数値で設定できます。
コントラスト比率
プリンタープロファイルが示すコントラスト比率に設定できます。
ブラックポイントの輝度を数値で指定することもできます。
ディスプレイの真っ暗な部分を測定して、ブラックポイントの輝度に指定することもできます。
ICCプロファイルのバージョン
キャリブレーション作業の結果作成されるICCプロファイルのバージョンとして、バージョン2、バージョン4のどちらかを選べます。
キャリブレーションに使うパッチセット
モニターの表示特性を調べるために使うパッチの数を大、中、小から選べます。
また、特定のスポットカラーや、特定の画像を元にしてパッチを作成できます。
その他
その他、i1Display Proでは、Colormunki Displayでは設定できない細々した設定ができます。
※i1Display ProとColormunki Displayの細かい比較は、以前はX-Rite®のウェブサイト内にあるカタログ等に掲載されていましたが、現在はいずれも旧機種のため以下のリンク先はすでになくなっています。
参考リンク
以上のように、i1Display ProではColormunki Displayよりも様々な詳細な使い方ができます。
一般的なモニターキャリブレーションが行えれば良い、という場合はColormunki Displayで問題ないかもしれません。
以上、i1Display ProとColormunki Displayの主な違いについて紹介しました。
参考記事
- 【旧製品】ColorMunki Display 初心者向けより上位のモニターキャリブレーションツール
- i1 Display Proとは中上級者向きモニターキャリブレーションツール
- ディスプレイのカラーマネジメントをするために必要なツール
Colormunki Display
i1Display Pro