服や装飾品その他、様々な色のバリエーションがある商品があります。
そういった商品の色がどういう色が人に伝えるためには、「こういう色」と表現できなければなりません。
ところが物の色は事務所、屋外、家の中など、環境次第で違って見えてしまうので、「どういう色」と言えばよいのかつかみどころがないのではないでしょうか。
ここでは、物の色をどういう光の下で確認すれば良いのかをご紹介します。
商品の色は商品を照らす照明によって変わってしまう
昼光色のLED照明の下で商品の写真を撮影して、お客さんにその商品写真を見せて「こういう色の商品です」と伝えたとします。
その商品写真を見て「いい色ですね」と言ってお客さんが商品を購入したとします。
もしお客さんが自分の家の電球色の照明の部屋で商品を見たら「写真と色が違うではないか」と思うでしょう。
写真に写っている商品は昼光色の照明に照らされていますが、一方お客さんが家で見ている商品は電球色の照明に照らされているからです。
このように、商品の色は商品を照らす照明が違うと別の色に見えてしまいます。
色について人に伝えるには、商品を照らす照明の色を決めるとよい
商品の色は商品を照らす照明が違うと別の色に見えてしまいます。
そこで、商品を照らす照明を同じくすれば、みんな同じ色に見えます。
例えば昼白色のLED照明の下で商品の写真を撮影して、お客さんにその商品写真を見せて「こういう色の商品です」と伝えたとします。
その商品写真を見て「いい色ですね」と言ってお客さんが商品を購入したとします。
お客さんが自分の家の昼白色のLED照明の部屋で商品を見たら、ほぼ商品写真と同じ色に見えるでしょう。
具体的な照明の色の基準
上記の説明のように、物の色を見るときの照明の色を決めたい場合が多いので、CIE(国際照明委員会)やJIS、日本印刷学会などでいくつか照明の規格が作られています。
一般的によく使う規格としてはCIE標準イルミナントD65、CIEイルミナントD50などがあります。
D65は昼間の北の色
D65は、おおまかにいうと昼間の北の色です。太陽が昇っている南側よりは少し青いです。
真っ白な部分の色温度はおよそ6500Kです。
普通に売っている照明器具でこのD65の光に似ている照明は、「昼光色」の照明です。
D50は昼間の南の色
D50は、おおまかにいうと晴れの日の昼間の南の色です。北側よりは少し黄色っぽいです。
真っ白な部分の色温度はおよそ5000Kです。
普通に売っている照明器具でこのD50の光に似ている照明は、「昼白色」の照明です。
商品の色について話をするための、商品の色の見方の手順
具体的に商品の色をどのように見ればよいかをみてみます。
手順1 照らす照明をD65かD50のどちらにするか決める
照らす照明をD65かD50のどちらにするか決めます。
一般的に広く使われているのはD65です。しかし、D65にすれば万事OKとは言えません。
お客さんが商品を見るときの照明に近い規格を選ぶとよい
おすすめの決め方は、お客さんが商品をどのような照明下で使うことが多いかで判断する決め方です。
お客さんが天気の良い日に昼間の屋外で商品を見たり使ったり、または自宅で昼白色の照明下で見たり使ったりすることが多いなら、D50に決めると良いでしょう。
一方、事務所の昼光色の照明下や、曇りの日の屋外や日陰で商品を見たり使ったりすることが多いなら、D65に決めると良いでしょう。
実際は晴れの日も曇りの日も外で見る商品もあるでしょうし、自宅の照明といっても昼白色のものも昼光色のものもあります。
しかし、とりあえず照明の基準を決めないと商品の色について伝えることができないので、どちらかに決めます。
D65の方が代表的ではある
CIEなどで最も標準的な昼の光とされているのはD65です。
そのため、工業製品の色を測るときなど、様々な業界ではD65を基準にしていることが多いです。
一方、写真や印刷関連の業界のように色の扱いに密接に関係している業界では独自に推奨規格を作り、D50を基準にしている例もあります。
補足情報 D50に近い高演色照明は手に入れやすい
色についてより高い精度でやり取りするためには高演色性の照明が必要です。
太陽や蛍光灯の光などの白色光は色々な波長の光が混ざっています。
これらの色々な波長の光ができるだけ偏りなく満遍なく含まれているのが演色性が高い光です。
D50に近い高演色照明は、比較的価格も安く手に入りやすいです。
写真を扱うときや印刷物を扱うときにD50が基準として使われるため、需要が多いのが理由だと思います。
参考記事
補足情報 D65に近い高演色照明は手に入れにくい
一方、D65の高演色照明は比較的価格が高く、品揃えも少なく、手に入れにくいです。
価格は大まかに言うとD50の高演色照明の10倍くらいします。
製品の種類もとても少ないです。
既製品として売られているものは数えるほどしかありません。
参考記事
手順2 決めた規格の照明下で色の話をする
D65かD50か決めてしまえば、あとはその決めた規格の照明下における色をその商品の色と決めて話をします。
例えばD50と決めたとします。
商品写真の色はD50の照明下で見た色に仕上げます。
商品を観察するときもD50の照明下で見ます。
お客さんが自宅でD65に近い照明下で商品をみた場合は
自社で商品を見る照明環境をD50に統一したとしても、お客さんが自宅でどういう照明を使うかは分かりません。
D50の照明下の色に仕上げた商品写真を作っても、お客さんの自宅の照明はD65に近い照明かもしれません。
その場合はお客さんは商品写真と商品実物の色が違うと感じるかもしれません。
この場合は、
「この商品写真はCIEイルミナントD50の照明下で見た色になっています。商品の色は照明が変わると少し違って見えてしまうので、ご了承ください」
といったようにお客さんに説明するしかありません。
以上、商品の色を人に伝えたりするために、物の色をどういう光の下で確認すれば良いのかをご紹介しました。
参考記事
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