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MultiSync LCD-EX241UN ハードウェアキャリブレーション対応液晶ディスプレイ

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 以前までNECから「カラーマネジメントディスプレイ」として販売されていたモニターの多くが生産終了になっているようです。

 しかし、現在でもNECの液晶モニターでハードウェアキャリブレーションが可能な機種はあり、そのうちの一つにMultiSync® LCD-EX241UNがあります。

 MultiSync® LCD-EX241UNの仕様をみてみます。

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機器などを買うときの参考情報

 電子機器の製造には深刻な国際問題も関係しています。
 当然ながら、機器を使用する私たちユーザーもそれら国際問題の当事者の一人です。
 仕事や創作活動などを意義あるものにするため、物を買う場合は社会的責任を果たしているメーカーや店の製品を選びましょう。

武装勢力や児童労働と関わりのある原料を使っていないかどうか

 報道によれば、電子機器などの製造に必要な鉱物は武装勢力の資金源になっている鉱山で生産されたり、児童労働につながっているものもあるということです。

参考

華井和代「紛争下の性暴力の構造と日本の取り組み」ーデニ・ムクウェゲ医師来日講演会:平和・正義の実現と女性の人権

デニ・ムクウェゲ「コンゴ東部における性暴力と紛争鉱物(日本語字幕)」ーデニ・ムクウェゲ医師講演会2016

【アムネスティ】スマートフォンに隠された真実:あなたのケータイ、「児童労働」につながっていませんか?(日本語字幕付※設定をONにしてください)|アムネスティ日本

参考リンク

コンゴ民主共和国:スマートフォンの裏に児童労働 : アムネスティ日本 AMNESTY
アップル、サムソン、ソニーなど著名なエレクトロニクス企業は、児童労働など不当に採掘されたコバルトが自社の製品に使われていないかどうかを認識していない。アムネスティ・インターナショナルとアフリウォッチは1月19日、調査報告書の中で明らかにした...

参考書籍

 「人新生の「資本論」」で先進国から他の貧困国へ環境汚染その他の被害が押し付けられ外部化されていることが説明されていました。

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 電子機器などを購入する場合、紛争や児童労働などに関わりのない鉱物を使用しているかどうかなど、製造メーカーがきちんと管理された道筋で原料を調達しているかどうかを確認すると良いでしょう。

 ウェブサイト等で原料調達に関する取り組みについて記載し、調査結果などを公開しているメーカーもあります。

使用後の製品の回収について説明されているかどうか

 物が壊れたら、パソコンやPCモニター等ならPCリサイクルなどに出す、その他の電子機器なら小型家電リサイクルなどに出す、というように法律に従って回収に出す必要があります。

 メーカーによっては使用後の機器の回収方法を分かりやすく説明したり、分かりやすい回収申し込みフォームを用意したりしています。
 一方、使用後の機器の回収について丁寧とは言えない説明しか載せていないメーカーもあります。

 きちんと回収して持続可能な事業活動をしようとしているまじめなメーカーを選びましょう。

MultiSync® LCD-EX241UNはハードウェアキャリブレーション対応の液晶ディスプレイ

 MultiSync® LCD-EX241UNはハードウェアキャリブレーション対応の液晶モニターです。

メーカーのページ

中古モニター販売店

 まずは良い中古品を探すのも良いでしょう。
 中古品を購入すると新品を1台作らずに済むので環境負荷が低く済みます。

リコレ!ソフマップの中古通販サイト

MultiSync® LCD-EX241UN

NECのSOHO/企業向けオンラインストア

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キャリブレーションを行うのに必要なオプションの測色器

キャリブレーションを行うのに必要なオプションのキャリブレーションソフト

色域

 メーカーのサイトを見た限りでは、ディスプレイ表示色について以下のように書かれていました。

ディスプレイの色再現性を統一し、どのディスプレイでも同じに見える色合いを再現する色再現国際規格(IEC61966)です。「sRGB」に対応したプリンター、スキャナー、デジタルカメラなどと色合わせができます。

 この説明からすると、すくなくともsRGBの色域はカバーしているものと思われます。

sRGBのプリセットがある

 表示特性のプリセットがあり、sRGBのモードが用意されています。
 sRGBモードを選択することで表示特性をsRGBに近い状態にできるものと思われます。

 その他、プリセットがいくつかあり、自分で調整した表示特性を保存しておいて作業に応じて切り替えたりできます。

補足説明 表示可能な色域がAdobeRGBをカバーしていないとAdobeRGBのデータを扱えないわけではない

 ディスプレイの表示可能な色域がAdobeRGBをカバーしていないと、AdobeRGBのデータを扱えない、というわけではありません。

 カラーマネジメントシステムの仕組みは、AdobeRGBの色域を持ったデータをsRGBくらいの色域しか表示できないディスプレイでも扱えるようになっています。

参考記事

AdobeRGBで撮影した写真はsRGBの色域のモニターでも正常に表示可能
AdobeRGBで撮影した写真はAdobeRGBの色域をカバーしたディスプレイでないと正しく表示できないという誤解がとても多いようです。  実際は、カメラ、モニター、プリンターなど色を扱うデバイスが表現可能な色域はたいていは異なっています。...

専用キャリブレーションソフトは「SPECTRAVIEW2」

 LCD-EX241UNでハードウェアキャリブレーションを行う場合、キャリブレーション用ソフトウェアは「SPECTRAVIEW2」を使います。

ハードウェア・キャリブレーションとは

 ハードウェア・キャリブレーションは、パソコンから送られてくる映像の信号を変更せずに、ディスプレイの内部で白色点・ガンマ・輝度を調整する方法です。映像の信号を減らさずに調整できるので画質が劣化しません。

「SPECTRAVIEW2」以外のキャリブレーションソフトを使うとハードウェアキャリブレーションはできない

 LCD-EX241UNは普通の液晶モニターであり、「SPECTRAVIEW2」以外のキャリブレーションソフトも一応使えます。
 例えば、Datacolor「SpyderX Pro」の付属キャリブレーションソフトを使ってキャリブレーションをするようなこともできます。

 しかし、「SPECTRAVIEW2」以外のキャリブレーションソフトを使用した場合はソフトウェア・キャリブレーションを行うことになります。
 よって、ハードウェアキャリブレーションが可能なモニターを使っている意味があまりなくなります。

ソフトウェア・キャリブレーションとは

 ソフトウェア・キャリブレーションとは、パソコンから送り出される映像の信号自体の各成分を減らして白色点の色温度・ガンマ・輝度を調整する方法です。映像の信号を減らして調整するため、少し画質は劣化します。

LCD-EX241UNは測色器外付けのディスプレイ

 「LCD-EX241UN」は測色器は内蔵されていません。キャリブレーションするときに測色器を外付けして使用します。

どのような測色器が使えるのか

 「SPECTRAVIEW2」に対応している測色器であればハードウェア・キャリブレーションができます。

 以下は使用可能な測色器の一例です。(2022年5月11日に確認した時点のもの)
(「SPECTRAVIEW2」の説明書の「対応カラーセンサー」の欄に使用可能なキャリブレーションセンサーの一覧があります)

  • NEC MDSVSENSOR3
  • datacolor Spyder3、Spyder4、Spyder5、SpyderX
  • i1Display Pro
  • i1Pro2、i1Pro3、i1Pro3 Plus

など。

SPECTRAVIEW2のページ

Calibrite社の製品は対応しているのかどうか

 X-Rite社の写真・映像向け製品の販売がCalibrite社へ移行した結果、i1Display ProなどX-Riteの測色器の多くが販売終了になり、Calibrite社から後継機と思われる製品が発売されています。

 当方がメーカーのウェブサイトで確認した限りでは、Calibriteから発売中の測色器への対応についての説明は見つけられませんでした。

LCD-EX241UNのその他の主なスペック

液晶パネルの種類 IPS

 IPSパネルは、液晶セルの液晶分子の配列方法で最も一般的なTNのパネルの視野角が狭いという欠点を解消した方式です。
 現在カラーマネジメントディスプレイとして販売されているディスプレイはほとんどIPSパネルを使っているようです。

 フォトレタッチ作業に十分です。

サイズ 23.8型

 23.8型であれば普通のフォトレタッチ作業には十分でしょう。

表示画素数 1,920×1,080

 表示画素数は1,920×1,080で、普通のフォトレタッチ作業には十分でしょう。

表示色 約1,677万色

 表示色は約1,677万色、普通のカラー液晶モニターの色数です。
 色数自体は普通のフォトレタッチ作業には十分です。

 ただし、メーカーのサイトで仕様を確認した限りでは、実際に表示する色数より多い情報を使って計算した後に表示を行っているのかどうかは分かりませんでした。

 実際に表示する色数より多い情報を使って計算した後に表示を行う方法をとっている場合、仕様書に例えば「約1677万色:8bit対応(約278兆色中/16bit-LUT)」のような表記があることが多く、内部では約1677万色よりはるかに多い色数で調整を行い、最終的に約1677万色を表示していることが分かります。
 そのような方法をとることにより、諧調表現など画質を劣化させずにキャリブレーション結果の約1677万色を表示できます。
 フォトレタッチの業務などを想定して「カラーマネジメントモニター」として販売されているようなモニターの場合、たいていは実際に表示する色数より多い情報を使って計算した後に表示を行う方法をとっています。

 16bitなどの色数の多いデータを扱って、なおかつモニター表示も通常の約1,677万色を超える色数が必要な事情があれば、10bit表示が可能な別のモニターなどが必要になってきます。

 なお、Photoshopで16bit/チャンネルのモードで画像データを処理する作業自体は約1,677万色の通常の液晶モニターで問題なく行えます。

参考リンク

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視野角(標準値) 左右178°、上下178°

 液晶表示モードの種類はIPSであることで、視野角は広めの178°です。
 フォトレタッチ作業に問題ありません。

輝度 250cd/m2

 普通のフォトレタッチ作業には十分でしょう。

 フォトレタッチ作業なら多くの場合80〜120cd/m2くらいの範囲で作業します。

 スマホなどの初期状態くらいの明るさを再現して作業する場合にも、160cd/m2前後にできれば十分です。

コントラスト比 1000:1

 普通のフォトレタッチ作業には十分です。

応答速度 14 ms

 写真など静止画の作業をする分には14msで問題ないでしょう。

ゲーム用のディスプレイ

 ゲーム用のディスプレイなどは応答速度が速い必要があるので非常に速い機種もあります。
 そういったディスプレイは、応答速度が速い代わりに液晶表示モードの種類がTNなどであるため視野角が狭目で、画質もカラーマネジメントディスプレイとして売られているようなモニターに比べると低い場合が多いです。

 以上、一般的なフォトレタッチ用途の側面から、LCD-EX241UNの主なスペックについてみてみました。

参考記事

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