カメラのセンサーのサイズが同じなら、レンズの焦点距離が短いほど広い範囲を撮影できます。
レンズの焦点距離が短いほど広い範囲を撮影できる理由のおおまかな雰囲気をみてみます。
カメラを横から見てみる
カメラを単純化した図を横から見てみます。
次の図のようなレンズとカメラがあったとします。
焦点距離の短いレンズに交換すると下図のようになり、上の図よりも写真に写る範囲が広くなります。
さらに焦点距離の短いレンズに変えると下図のようになり、上の図よりもさらに写る範囲が広くなります。
これらの図を見ると、焦点距離が短いレンズほど広い範囲を撮影できることが何となく雰囲気で分かります。
図ではレンズの中心しか光が通っていないように見えておかしいと思える点について
上の図は、光がレンズの中心しか通っていないような感じに描かれています。
カメラのレンズは直径1cmなり5cmなり6cmなりのある程度の大きさがあり、そのレンズ全体に入ってきた光を取り込んで撮影するので、レンズの中心しか光が通っていないように見える上の3つの図は間違っている、と思ってしまうかもしれません。
実際はレンズ全体に光が入ってきていますが、上の図は光を省略して描いています。
ヒマワリを撮影するとします。
例えばヒマワリの花のどこか1点に当たった光は乱反射して四方八方に進んで行きます。
乱反射した光のうち、たまたまレンズに当たった光はカメラのセンサーの1点に集まります。ヒマワリの花から進んできてレンズの上の端の方に入った光も下の端の方に入った光も中央に入った光も中央より左上あたりに入った光も、すべてセンサーの一点に集まります。
レンズの正面ではなく下の方にある葉っぱのどこか1点に当たった光を考えると、葉っぱのどこか1点で光が乱反射して四方八方に進んで行き、たまたまレンズに入った光はセンサーのどこか1点に集まります。
さらに下の方の葉っぱのどこか1点に当たって乱反射した光を考えると、レンズに入ってきた光はセンサーから外れた上の方に進んで行ってしまいます。下の方の葉っぱは撮影できる範囲の外にあるということです。
初めの図はレンズの中心を通る光だけを描いたもの
レンズは、大雑把に言うと、どこか1点から進んできてレンズの中心以外の部分を通った光は屈折し、レンズの中心を通った光はそのまま真っ直ぐ進み、それら全てがまたどこか1点に集まるように作ってあります。
このページの初めの3つの図は、被写体で乱反射した光を全て描くと複雑になってしまうので、被写体で乱反射した光のうちレンズの中心を通る光だけを描いたものです。
レンズの中心を通る光だけを描けば、どの範囲が撮影できる範囲なのかも分かりやすいです。
このページの初めの3つの図を、レンズの中心を通る光だけでなく他の場所を通る光も含めて描くと下図のような雰囲気になります。
絞ってレンズの直径を小さくしても同じ
被写体で乱反射してカメラのレンズに入ってくる無数の光は以上のような雰囲気で進むので、レンズの絞りを絞ってレンズの有効口径を小さくしたとしても撮影できる範囲は同じです。
レンズに入る光の量が減るだけです。
以上、レンズの焦点距離が短いほど広い範囲を撮影できるおおまかな理由をみてみました。
参考