Adobe® Photoshop®で画像データを開くとき「埋め込まれたプロファイルの不一致」「ファイル“●●●”は、現在のRGBの作業用スペースに一致しない埋め込まれたカラープロファイルを持っています。」という警告が表示される場合があります。
Photoshopの「埋め込まれたプロファイルの不一致」の警告への対応方法の一例を紹介します。
「埋め込まれたプロファイルの不一致」の警告はどのようなときに表示されるか
Photoshopで開こうとしている画像データの埋め込みカラープロファイルとPhotoshopのカラー設定の作業用スペースのRGBのカラープロファイルが異なるときに「埋め込まれたプロファイルの不一致」「ファイル“●●●”は、現在のRGBの作業用スペースに一致しない埋め込まれたカラープロファイルを持っています。」とう警告が表示されます。
画像データの埋め込みカラープロファイル
画像データにカラープロファイルを埋め込むことができます。埋め込まないこともできます。
画像データの埋め込みプロファイルは以下の方法で確認できます。
Photoshopの「情報」パネルの「パネルオプション」で「ドキュメントのプロファイル」にチェックを入れておきます。
情報パネルのパネルオプション
Photoshopのカラー設定のカラーマネジメントポリシーのRGB、CMYK、グレーの欄をすべて「埋め込まれたプロファイルを保持」にし、「プロファイルの不一致」「埋め込みプロファイルなし」の「開くときに確認」のチェックを外します。
カラー設定
埋め込みプロフィルを確認したい画像データを開き、「情報」パネルで埋め込みプロファイルを確認できます。
カラープロファイルが埋め込まれている場合は埋め込まれているカラープロファイルの名前が表示されます。
カラープロファイルが埋め込まれていない場合は「タグのないRGB」「タグのないCMYK」と表示されます。
カラープロファイルが埋め込まれている場合の例 AdobeRGBのカラープロファイルが埋め込まれていればAdobeRGB(1998)というカラープロファイルの名前が表示される
カラープロファイルが埋め込まれていないRGB画像データを開いた場合
カラープロファイルが埋め込まれていないCMYK画像データを開いた場合
参考記事
フォトショップの作業用スペースのカラープロファイル
Photoshopのカラー設定で作業用カラースペースに何らかのカラープロファイルが設定されています。
メニューから［編集＞カラー設定］と進み、作業用スペースの欄でRGB、CMYK、グレー（※グレースケールのモード）、スポット（特色インク用の画像を扱うモード）それぞれにカラープロファイルを指定することで設定できます。
Photoshopのカラー設定
作業用スペースのカラープロファイルと、開こうとしている画像データの埋め込みカラープロファイルが一致していない場合に「埋め込まれたプロファイルの不一致」が表示される
PhotoshopでRGB画像を開くとき、カラー設定の作業用スペースのRGBのカラープロファイルと、開こうとしているRGB画像データの埋め込みカラープロファイルが一致していない場合に「埋め込まれたプロファイルの不一致」「ファイル“●●●”は、現在のRGBの作業用スペースに一致しない埋め込まれたカラープロファイルを持っています。」という警告が表示されます。
PhotoshopでRGB画像を開こうとしたときの「埋め込まれたプロファイルの不一致」の表示
プロファイルが不一致でも警告が表示されない設定にもできる
Photoshopのカラー設定のカラーマネジメントポリシーの「プロファイルの不一致」の「開くときに確認」にチェックが入っている場合、開こうとする画像データの埋め込みプロファイルとカラー設定の作業用スペースのカラープロファイルが一致していなければ「埋め込まれたプロファイルの不一致」の警告が表示されます。
この設定欄のチェックを外すと開こうとする画像データの埋め込みプロファイルとカラー設定の作業用スペースのカラープロファイルが一致していなくても「埋め込まれたプロファイルの不一致」の警告は表示されません。
カラー設定のカラーマネジメントポリシーの設定欄
「埋め込まれたプロファイルの不一致」の警告への対応方法
「埋め込まれたプロファイルの不一致」、「ファイル“●●●”は、現在のRGBの作業用スペースに一致しない埋め込まれたカラープロファイルを持っています。」という警告が表示されたときの対応方法の例をあげてみます。
対応方法１ 基本的には「作業用スペースの代わりに埋め込みプロファイルを使用」を選択
「埋め込まれたプロファイルの不一致」が表示されたときは基本的に「作業用スペースの代わりに埋め込みプロファイルを使用」を選んで開きます。
埋め込まれたプロファイルの不一致
デジカメでJPEGで撮影した写真のデータであれ、RAW現像して書き出した写真のデータであれ、スマホで撮影した画像データであれ、画像編集ソフトで操作して保存した画像データであれ、RGB画像は通常はカラープロファイルを埋め込んで保存します。
カラープロファイルを埋め込むことでその画像データがどのような色のデータなのかを示すことができ、プロファイルを埋め込まなければどのような色の画像なのか分からなくなるからです。
自分や自分以外の人が作ってカラープロファイルを埋め込んで保存したRGB画像データは埋め込みプロファイルを使用して開くのが良い開き方です。
画像データを埋め込みプロファイルを使用して開くことで、その画像データを作った人が仕上げた色を正確に表示できます。
画像データを別のカラープロファイルに変えたい場合は開いた後にプロファイル変換する
開いた画像データを作業の都合で別のカラープロファイルに変えたい場合はPhotoshopでプロファイル変換をします。
例えばデジカメで撮影したsRGB埋め込みの画像データや、スマホで撮影したDisplayP3埋め込みの画像データを埋め込みプロファイルを使用して開いたとして、その画像データをAdobeRGBの画像データとして扱いたい場合はAdobeRGBにプロファイル変換します。
参考記事
対応方法２ 詳しく分からなければ「ドキュメントのカラーを作業スペースに変換」を選択
自分が働いている部署でAdobeのソフトのカラー設定は「プリプレス用-日本2」を選択することに決めてあり、自分自身はカラーマネジメントシステムにあまり詳しくないので指示された通り「プリプレス用-日本2」に設定してPhotoshopを使っているとします。
このような場合、画像データを埋め込みプロファイルを使用して開いてから必要に応じてプロファイル変換しようとすると話がややこしくなり正確な作業をできないおそれがあります。
そこで、カラーマネジメントシステムにあまり詳しくなく、Photoshopのカラー設定だけは何らかの設定にいつも決めて使っているような場合は「ドキュメントのカラーを作業スペースに変換」を選ぶと無難かもしれません。
埋め込まれたプロファイルの不一致
例えばカラー設定を「プリプレス用-日本2」に設定してあり、RGB画像データを開く時に「埋め込まれたプロファイルの不一致」が表示された場合は常に「ドキュメントのカラーを作業スペースに変換」を選んで作業すると、自分が作ったRGB画像データは全て「プリプレス用-日本2」のRGBの作業用スペースのカラープロファイルであるAdobeRGBの画像データになります。
「ドキュメントのカラーを作業スペースに変換」を選ぶと画像データのRGB値と色が少し変わる
「ドキュメントのカラーを作業スペースに変換」を選んだ場合、画像データのRGB値が少し変わります。
また、画像データの色が少し変わる可能性があります。
「ドキュメントのカラーを作業スペースに変換」を選んで開くと画像データの埋め込みカラープロファイルからカラー設定のRGBの作業用スペースのカラープロファイルにプロファイル変換されるためです。
例えば、カラー設定のRGBの作業用スペースがAdobeRGBに設定してあり、sRGB埋め込みの画像データを開くときに「ドキュメントのカラーを作業スペースに変換」を選んだ場合、sRGBからAdobeRGBにプロファイル変換することになり、見た目の色はほとんど変わりません。
RGB値は少し変わります。
カラー設定のRGBの作業用スペースがsRGBに設定してあり、AdobeRGB埋め込みの画像データを開くときに「ドキュメントのカラーを作業スペースに変換」を選んだ場合、AdobeRGBからsRGBにプロファイル変換することになり、見た目の色は少し変わります。AdobeRGBに比べるとsRGBは色域が狭いためです。
RGB値も少し変わります。
「埋め込まれたプロファイルを破棄（カラーマネジメントをしない）」を選ぶとRGB値は変わらないが色が変わる
「埋め込まれたプロファイルを破棄（カラーマネジメントをしない）」を選んでRGB画像データを開くとRGB値は変わりません。
画像データの見た目の色は変わり、本来の色ではない色で表示される可能性が高いです。
例えば、カラー設定のRGBの作業用スペースがAdobeRGBに設定してあり、sRGB埋め込みの画像データを開くときに「埋め込まれたプロファイルを破棄（カラーマネジメントをしない）」を選んだ場合、sRGBの画像データに無理やりAdobeRGBを指定した状態で表示することになり、色はおかしくなります。
ただしRGB値は変化しません。
例えば、カラー設定のRGBの作業用スペースがsRGBに設定してあり、AdobeRGB埋め込みの画像データを開くときに「埋め込まれたプロファイルを破棄（カラーマネジメントをしない）」を選んだ場合も、AdobeRGBの画像データに無理やりsRGBを指定した状態で表示することになり、色はおかしくなります。
ただしRGB値は変化しません。
カラーマネジメントシステムの利用に慣れていれば警告表示をオフにするのもよい
カラーマネジメントシステムの利用に慣れているなら警告表示をオフにするとわずらわしくありません。
カラー設定のカラーマネジメントポリシーでRGB、CMYK、グレーを全て「埋め込まれたプロファイルを保持」にし、「プロファイルの不一致」の「開くときに確認」のチェックを外し、「埋め込みプロファイルなし」の「開くときに確認」のチェックも外します。
このようにすると画像データを開く時の警告は表示されなくなり、なおかつ開く時に勝手にRGB値が変わったり色が変わったりしません。
カラー設定
以上、Photoshopの「埋め込まれたプロファイルの不一致」の警告への対応方法の一例でした。
参考記事
