富士フイルムの高品質銀塩プリントのサービス「プレミアムプリント」というものがあります。
一般向けのカメラや現像ソフト、写真編集ソフトでもカラープロファイルが色々選べるようになっているため、「プレミアムプリント」に依頼する写真のデータのプロファイルはどのようにするべきか迷う人も多いでしょう。
富士フイルムの「プレミアムプリント」に依頼するとき、画像データのプロファイルをどのようにするとよいかみてみます。
富士フイルム「プレミアムプリント」
富士フイルム「プレミアムプリント」の内容
「プレミアムプリント」は銀塩プリントのサービス
「プレミアムプリント」は銀塩プリントのサービスです。
インクジェット、電子写真とも異なる、現像液を使って印画紙に絵柄を再現するプリントサービスです。
富士フイルム「プレミアムプリント」
技能者の人のチェックなどが加わる
一般的なデジカメプリントなら、ほとんどの作業は自動で進み、それにより低価格を実現しているでしょう。
「プレミアムプリント」は、技能者の人の手動のチェックなどが加わり、注文内容によっては調整を加えるなどの処理をしてもらえるなど、より高品質なプリントをしてもらえるサービスです。
色補正なしの指定も可能
自分で写真を完璧な状態に仕上げた場合は、色補正せずにそのままプリントしてもらう指定が可能です。
補正内容を指定することも可能
写真の明るさ、コントラスト、色合い等について、この辺りはこのように、というように、範囲と調整内容を伝えて手動調整をしてもらうことができます。
この調整の指定はネット注文でも可能です。
お任せで手動調整してもらうことも可能
こちらから指定せず、全て技能者の人にお任せで手動調整をしてもらうことも可能です。
印画紙が複数の種類から選べる
一般的なデジカメプリントなら、印画紙の種類は光沢か絹目の2種類くらいしか選択肢がないでしょう。
「プレミアムプリント」は、印画紙の選択肢が多いです。
なお、印画紙の種類によって価格が異なります。
後加工のオプションあり
「プレミアムプリント」は、オプションでプリント後に裏打ちシート、平滑パネル、超平滑パネルのいずれかの後加工を行えます。
撮影情報を記載した「学習プリント」というサービス
「プレミアムプリント」で、普通の写真としてプリントするのではなく、2Lサイズで余白に「ファイル名/西暦_月日_時分秒/解像度(ピクセル)/カメラメーカー名_機種名/レンズ焦点距離/シャッタースピード/絞り/感度/露出補正/ホワイトバランス」などの撮影情報をを記載した状態でプリントしてもらえる「学習プリント」というサービスもあります。
アドバイスをもらえる「講評サービス」
「プレミアムプリント」で、普通の写真としてプリントするのではなく、A4の用紙に、上記の「学習プリント」と、さらに作品についてのアドバイスを記載した状態のプリントをもらえる「講評サービス」というものもあります。
富士フイルム「プレミアムプリント」のサービス案内を確認してみる
「プレミアムプリント」のウェブサイトで、依頼する写真の画像データのプロファイルについて説明されているかみてみました。
依頼可能な画像については、以下のような説明がありました。
他に、データのサイズなど、いくつか説明がありましたが、カラープロファイルについての細かい説明は見つけられませんでした。
画像データの色空間などについて説明を載せると、注文する人がかえって混乱してしまうからかもしれません。
ネット注文で画像をアップロードしてみた結果
「プレミアムプリント」のネット注文の画面から、画像をアップロードしてみました。
「プレミアムプリント」をネットから注文する場合、画像のアップロード画面に以下のような注意書きがあります。
sRGBの画像データをアップしてみる
以下のsRGBの画像データをアップロードしてみます。
sRGBで完成させ、sRGBカラープロファイルを埋め込んで保存した画像データです。
sRGBの画像データがsRGB画像として扱われるので、ほぼ同じ色で問題なくアップロードできました。
sRGBの画像データ(プロファイル埋め込みなし)をアップしてみる
以下のsRGBの画像データをアップロードしてみます。
sRGBで完成させ、カラープロファイルを埋め込まずにに保存した画像データです。
sRGBで作成され埋め込みプロファイルのない画像データがsRGB画像として扱われるので、ほぼ正常な色で問題なくアップロードできました。
AdobeRGBの画像データをアップしてみる
以下のAdobeRGBの画像データをアップロードしてみます。
AdobeRGBで完成させ、カラープロファイルを埋め込んで保存した画像データです。
AdobeRGBの画像データの埋め込みプロファイルは無視され、sRGB画像として扱われた結果、元の画像とは色が変わってしまいました。
AdobeRGBの画像データにsRGBを指定した以下の写真と似たような色になってしまいました。
「プレミアムプリント」に依頼するときの写真のデータのプロファイル
sRGBにしておけば問題ない
店のサービスに依頼するデータはsRGBで作ればまず問題ないでしょう。
デジカメで撮影するなら、カメラの色空間をsRGBに設定しておけば、撮影した写真のデータはsRGBのデータになります。
現像ソフトで現像するなら、画像データの書き出し時の色空間をsRGBに設定すると、sRGBのデータになります。
AdobeRGBのデータがあるなら、sRGBにプロファイル変換して保存すると、sRGBのデータになります。
参考記事
店頭注文でAdobeRGBのデータで依頼できるかは、店で聞かないと分からない
ネットで注文する場合は上記の通りです。
「プレミアムプリント」は店頭でも注文できます。
店から注文する場合、AdobeRGBのプロファイル埋め込みのデータを依頼できるかどうかについては、店の人に聞いてみないと分かりません。
AdobeRGBの写真をsRGBに変換せずに広色域でプリントする方法
以上のように、ネットから注文する場合、sRGBプロファイルのデータで依頼すると正常な色でプリントされます。
ただし、AdobeRGBで写真を仕上げても、sRGBにプロファイル変換することでAdobeRGB色空間より狭いsRGB色空間の写真になり、プリント結果もAdobeRGB色空間より狭い色域の写真になります。
AdobeRGB色空間で写真を撮影したり現像したデータを、どうしてもAdobeRGBの色域でプリントしたい場合も多いでしょう。
現在はインクジェットプリンターの性能が上がり銀塩プリントと同等の画質の出力が可能になっているので、銀塩プリントにこだわらなければ、広色域のプリンター出力サービスへ依頼することでAdobeRGBの色域をできるだけ維持したプリントが可能です。
写真・グラフィック出力サービス
以上、富士フイルムの「プレミアムプリント」に依頼するとき、画像データのプロファイルをどのようにするとよいかみてみました。
富士フイルム「プレミアムプリント」