家庭のインクジェットプリンターはAdobeRGBをカバーしているものは少ないです。そのためAdobeRGBのデータを扱っても意味がないと感じるかもしれません。
実際は、プリンターの色域が狭くてもAdobeRGBのデータを扱う意味はあります。
ここでは、たとえプリンターの色域が狭くてもAdobeRGBのデータを扱うことには利点があることをご説明します。
AdobeRGBのデータの利点
利点1 色調補正・フォトレタッチがしやすい
色調補正などで、大幅に色を補正したり、色の演出をしたい場合があります。
そういうとき、sRGBのデータはなかなか大幅には色が変わりません。
AdobeRGBは大幅に色を変えることができます。sRGBのデータを色調補正するよりAdobeRGBのデータを色調補正する方がとてもやりやすいです。
利点2 元のデータの色域が大きい方がプリンターの色域をたくさん使える可能性がある
デバイスがAdobeRGBをカバーしているかどうかで、AdobeRGBのデータを扱う利点があるかないかが決まるわけではありません。
AdobeRGBをカバーしていなくても、デバイスの色再現域がsRGBを少しでも超えるなら、AdobeRGBのデータを使った方が広い色域で出力できます。
プリンターがAdobeRGBをカバーするほど色域が広くない場合でも、いくらかは色域がsRGBを超える部分がある可能性があります。
そのため、AdobeRGBのデータからプリンター出力を行った方が、プリンターの色再現域をたくさん使える可能性が高いです。
カラーマネジメントに慣れていない場合はsRGBのデータを扱った方が無難
理屈で言うと、AdobeRGBのデータを扱った方が利点がたくさんあります。
そのため、仕事で写真のデータを扱う場合などは、AdobeRGBで扱うことが多いです。
ところが、現在のところsRGBが一番代表的な標準色空間であり、ほとんどのデバイスがsRGBを前提に作られています。
そのため、AdobeRGBのデータを扱うには、最低限のカラーマネジメントに関する知識と慣れなどが必要になります。
もしカラーマネジメントに慣れておらず、また関連書籍を読む時間もない場合は、sRGBでデータを扱った方が無難です。
以上、たとえプリンターの色域が狭くてもAdobeRGBのデータを扱うことには利点があることをご説明しました。
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