ScanSnap®で書類や本をスキャンして電子化するかたは多いでしょう。
写真やグラフがあるモノクロの書類や本をScanSnapでスキャニングしPDFにすることで電子化する方法の一例をご紹介します。
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写真やグラフがあるモノクロの書類・本の特徴
写真やグラフがあるモノクロの書類と、文字や線だけの書類は、別の設定でスキャンする
スキャナーのユーティリティーソフトには、たいていの場合、モノクロの原稿のうち「写真やグラフのあるモノクロの原稿」と「黒い文字や線だけのモノクロの原稿」用に別のスキャニング設定が用意されています。
灰色の部分があるかどうかが違う点
上記の2種類の原稿は同じモノクロですが、灰色の部分があるかどうかという点が異なります。
「写真やグラフのあるモノクロの原稿」なら、たいてい真っ黒と真っ白以外に灰色の部分があります。
一方、「文字や線だけのモノクロの原稿」の場合、真っ黒な部分と真っ白な部分だけで、灰色の部分はありません。
画像データの種類で言えば、「写真やグラフのあるモノクロの画像」はゲレースケール画像、「文字や線だけのモノクロの画像」はモノクロ2値画像です。
灰色の部分の有無によってスキャン設定を変える
灰色の部分がある原稿をスキャンするなら、真っ白と真っ黒な部分の他に灰色の部分も正常にスキャニングする必要があります。
一方、真っ白な部分と真っ黒な部分しかない原稿なら、灰色な部分は無視して真っ白な部分と真っ黒な部分だけ正常にスキャンできれば済みます。
真っ白と真っ黒しかない画像データは単純なので、専用のスキャン設定を使うことで灰色の部分がある画像データより容量を小さくできたり、黒い文字が綺麗に表示できたりします。
灰色の部分がある原稿を、灰色の部分がない原稿専用の設定でスキャンするとどうなるか
灰色の部分がない「文字や線だけのモノクロの原稿」専用のスキャン設定は、灰色を表現しない設定になっています。
そのメリットとして、線や文字がきれいに見えたり、データ容量が小さくなったりします。
「文字や線だけのモノクロの原稿」専用のスキャン設定で、灰色の部分がある「写真やグラフのあるモノクロの原稿」をスキャンすると、灰色の部分が真っ白になってしまうか、真っ黒になってしまうか、どちらかになります。
その結果、正常なスキャンができません。
「写真やグラフのあるモノクロの原稿」用のScanSnapのスキャニング設定
「写真やグラフのあるモノクロの原稿」をスキャンする場合は、ScanSnapのユーティリティーソフト「ScanSnap Manager」で、以下のようなスキャニング設定を作ります。
ファイルサイズ
ファイルサイズの設定画面で、以下のように設定します。
- ファイルサイズ:3
原稿
原稿の設定画面で、以下のように設定します。
- 原稿サイズの選択:サイズ自動検出
ファイル形式
- ファイル形式の選択:PDF(*.pdf)
「オプション」で以下のように設定します。
- PDFファイルオプション: すべてのページを1つのPDFファイルにします
この設定で、原稿が複数枚あれば複数ページの1個のPDFファイルとして保存されます。
読み取りモード
読み取りモードの設定画面で、以下のように設定します。
- 画質の選択:スーパーファイン(カラー/グレー:300dpi、白黒:600dpi相当)
- カラーモードの選択:グレー
- 継続読み取りを有効にします:チェックあり
「読み取りモード」のオプションで濃さを調整できます。
標準の位置でたいてい問題ありません。
保存先
保存先の設定画面で、以下のように設定します。
- イメージの保存先:お好みの保存先を指定
アプリ選択
アプリ選択の設定画面で、以下のように設定します。
- アプリケーションの選択:起動しません(ファイル保存のみ)
スキャニング作業
スキャニング作業を行います。
Macの場合なら、ScanSnap Managerのアイコンを右クリックし、片面の原稿なら「片面読み取り」、両面の原稿なら「両面読み取り」をクリックしてスキャンを開始します。
途中で止まったり、止めたりしたとき
途中でひっかかったり、原稿を差し込むのが間に合わなかったりして、スキャンが中断してしまうこともあるでしょう。
スキャン設定で「継続読み取りを有効にします:チェックあり」に設定してあるので心配いりません。
例えば紙がひっかかるなどして止まったら、スキャナーのカバーを開けて紙を抜き出し、またフタを閉めて、原稿をセットし、スキャナー本体のスキャン実行のボタンを押せばスキャニングが再開されます。
スキャン終了
スキャニングが終わったら、ユーティリティーソフトのスキャニング画面で、スキャン終了のボタンをクリックし、スキャニング作業を終了します。
PDFファイルが保存されます。
PDFを開いて正常にスキャニングされているか確認します。
片面の頁、両面の頁が混ざっている書類をスキャンする場合
書類によっては、片面印刷の書類と両面印刷の書類が混在している場合もあるでしょう。
白ページを自動で削除する方法
「読み取りモード」のオプションで、「白紙ページを自動的に削除します」にチェックを入れていれば、白ページは自動で削除されます。
この設定なら、片面印刷のページと両面印刷のページの区別なくスキャンできます。
連続した片面印刷のページ、両面印刷のページを別のPDFとして保存し、結合する方法
原稿が汚れていて自動の白ページ削除が適応できない、白ページとして残したいページもあるなど、手動で白ページを削除したい場合もよくあります。
片面印刷のページ、両面印刷のページがそれぞれある程度連続して並んでいるなら、以下の方法で白ページを削除します。
- 例えば書類の1枚目からしばらく片面印刷の書類が続く場合、「片面読み取り」でスキャンを開始します。
- 片面印刷の部分が一旦終わったら、スキャンを終了しPDF保存します。
- 改めて、両面印刷の書類のスキャンを「両面読み取り」で開始します。
- 両面印刷の書類が終わったら、、スキャンをしゅうりょうしPDF保存します。
- また片面印刷の書類が続くなら、再び「片面読み取り」でスキャンを開始します。これを繰り返し、すべての頁のスキャンを進めます。
- スキャンが終わったら、Adobe® Acrobat®を使ってスキャンした複数のPDFを1個のPDFファイルに結合します。
すべて両面読み取りでスキャン後、白ページを削除する方法
書類によっては、片面印刷の書類と両面印刷の書類がそれぞれ連続せず、バラバラに混在している場合もあるでしょう。
その場合は、片面読み取りと両面読み取りを繰り返していると時間がかかり過ぎます。
そこで、以下のように書類すべてを両面読み取りし、後から白ぺーじを削除します。
- すべての書類を「両面読み取り」でスキャンし、PDF保存します。
- Adobe AcrobatでPDFを開き、白ページを削除し、再度保存します。
「写真やグラフのあるモノクロの原稿」を、「文字や線だけのモノクロの原稿」用の設定でスキャンすることもある
「写真やグラフのあるモノクロの原稿」でも、場合によっては写真は綺麗にスキャニングできなくても良いという場合もあるでしょう。
また、グラフにそれほど灰色の部分が使われておらず、真っ白と真っ黒さえ表現できれば判別できるグラフの場合もあるでしょう。
そのような場合は、「写真やグラフのあるモノクロの原稿」であっても「文字や線だけのモノクロの原稿」用の設定でスキャニングするというのも良い方法です。
「文字や線だけのモノクロの原稿」用の設定でスキャンした方が、文字や線はきれいで読みやすく、データ容量も小さいというメリットがあるからです。
補足情報 自分のMacに対応したScanSnapユーティリティーソフトが提供されていない場合の対処
少し古いScanSnapを持っている場合、最新のMacのOSに対応したユーティリティーソフトが提供されていない場合があります。
しかし、最新のmacOSに対応したソフトはなくても、Windows10に対応したユーティリティーソフトはまだ提供されているという場合もあるでしょう。
そのような場合はMacに「Parallels Desktop」をインストールしてMac上でWindowsを動かせるようにし、Wndows版のユーティリティーソフトをインストールすることで、ScanSnapを引き続き使い続けられる可能性があります。
参考記事
以上、「写真やグラフのあるモノクロの原稿」をScanSnapでスキャニングする方法の一例をご紹介しました。
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